「SUPER500」2戦目、インドネシアマスターズが23日にジャカルタで開幕。24日までに各種目1回戦を終え、日本勢は、坂井一将選手、奥原希望選手、高橋礼華・松友美佐紀組が初戦を突破した。このうち、昨年9月ジャパンオープン準決勝で棄権して以来となる国際大会復帰を果たした奥原選手は、ここから先、自分に無理をせず自然体で戦っていくと語った

奥原選手の復帰戦の相手は、世界ランク25位の香港チュン・ガンイ選手。簡単ではない相手だが、この日は奥原選手が30分かけずに快勝した
ただ奥原選手は試合後、BadPaL の取材に対し、開口一番、「勝てるとは思っていなかった」と明かした。ひざの状態は良くなってきているが、実戦練習は今大会直前に試合をしただけ。「今、何ができて何ができないかも分からない状態」で臨んでいたため
この日の試合はラリーが続かず、「動き、試合感覚ともにまだまだ。今何ができるか、確認できていない」という
今大会を含む今シーズンは「適度」を目標に掲げ、ケガをしないことに重点を置く。そのため、出場する大会も信頼できるコーチ、スタッフとともにチョイスしていく方針だ

男子シングルス坂井選手は、インド4番手サミール・ヴェルマ選手と対戦。過去の対戦成績は1勝1敗と互角で、この日も1ゲームずつを取り合いファイナルゲームまでもつれる。ただ、このゲームにかけていたという坂井選手が7-6から一気に抜け出し、21-10で勝利した
坂井選手が試合後明かしたところによると、全日本総合選手権の後、かかとを故障し、トレーニングを開始したのは年始から。今シーズン最初の大会、前週のマレーシアマスターズでフィジカルが落ちているのに起因し1回戦負けに終わってしまったため、これを修正して今大会に臨んでいるという
かつてトレーニングのため単身で乗り込み、長期滞在したことのあるインドネシアを第2の故郷と呼ぶ坂井選手。当時お世話になったコーチやチームメイトも見てくれているインドネシア開催の上位大会を「ジャパンオープンの次に勝ちたい大会」と位置付け、いい結果を残したいと意気込んでいる

女子ダブルスは、エントリーしていた米元小春・田中志穂組が体調不良で出場を取りやめたため、高橋・松友組は日本から出場する唯一のペアとなった
日本勢で一番最後、深夜近くに始まった試合は、高橋・松友組が初対戦の中国ホワン・ドンピン/リ・ウェンメイ組とスマッシュ、ドライブ中心の強打の応戦を展開する
出だしこそ互角に見えたラリーも、経験と実績ともに上回る高橋・松友組がほどなく主導権を握ると、若い中国ペアは打つ手がなくなり、徐々に追い詰められていく。結局、高橋・松友組が21-12,21-15のストレート勝ちで、初戦を危なげなく突破した
高橋・松友組は日付の変わった試合後、BadPaL の取材に応じ、「前衛で積極的に球にさわれた、会場内に吹く風を怖がらず打てた」など、調子は悪くないと主張。球回しのうまいホワン・ドンピン選手を警戒していたことを認めながら、昨年11月の中国オープンから組み始めた長身の18歳リ・ウェンメイ選手とは「ペアとして完成していない」とみて、2人で話し合い、相手に思うようなプレーをさせなかったという
また、2年前のインドネシアオープンで優勝するまで苦手意識を示していた試合会場「イストラセナヤン」については、改装後の方が、色合いや風など「前よりもやりやすくなった」と感想を述べた。ただ、深夜の試合で「観客が少なく静かだったからかも」と付け加えた
2回戦の相手は、前週マレーシアマスターズでも対戦した台湾のフン・シーハン/チアン・カイシン組。世界ランクは、高橋・松友組の2位に対し39位と下位ながら、「力強い」と強さを認め、気持ちを抜かず、引かないで立ち向かうと抱負を述べた


日本勢以外では、男子シングルスで、前週のマレーシアマスターズに続いて中国リン・ダン選手が世界59位、タイのカンタポン・ワンチャロン選手に敗れ、初戦で姿を消した
同じく前週、1回戦負けした中国チェン・ロン選手と台湾チョウ・ティエンチェン選手は勝ち上がった。なお、マレーシアマスターズ1回戦で西本拳太選手に敗れたマレーシアのリー・チョンウェイ選手は今大会、エントリーしていない
日本選手1回戦の結果
【男子シングルス】
坂井一将<21-16,12-21,21-10>サミール・ヴェルマ(インド)
ワン・ツーウェイ(香港)<21-12,22-20>常山幹太
【女子シングルス】
奥原希望(第6シード)<21-11,21-12>チュン・ガンイ(香港)
佐藤冴香<20-22,21-17,9-21>ニチャオン・ジンダポン(タイ)
ホー・ビンジャオ(中国、第8シード)<21-17,21-17>大堀彩
【男子ダブルス】
金子祐樹・井上拓斗(第8シード)<15-21,17–21>シラグ・シェッティ/サトウィクサトラジ・ランキレディ(インド)
ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア、第6シード)<21-16,21-15>遠藤大由・渡辺勇大
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)<21-12,21-15>ホワン・ドンピン/リ・ウェンメイ(中国)
※エントリしていた米元小春・田中志穂組は出場取りやめ
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第6シード)<21-18,21-7>渡辺勇大・東野有紗
日本選手2回戦の対戦カード
【男子シングルス】
ビクター・アクセルセン(デンマーク、第1シード)対坂井一将
【女子シングルス】
奥原希望(第6シード)対パイ・ユーポ(台湾)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)対フン・シーハン/チアン・カイシン(台湾)