マレーシアマスターズ(SUPER500)2回戦、1回戦で強豪リー・チョンウェイ選手を破った西本拳太選手がこの日もしっかり勝ち、日本男子で唯一べスト8入りを決めた。女子は山口茜選手、高橋礼華・松友美佐紀組、福島由紀・廣田彩花組が順当に勝ち上がった
「相手どうこうではなく、自分のプレーを」という姿勢で試合に入ったという西本選手。1つ年上の中国6番手ホワン・ユーシアン選手を相手に、第1ゲームは終始リードを守って快勝。第2ゲームも16-11とリードするが、ここから反撃に遭い、8連続得点を食らって16-19とひっくり返される。ファイナルゲーム突入は濃厚かと思われたが、西本選手が踏ん張り巻き返す。最後は相手ゲームポイント(19-20)を凌いで、そのまま一気に決着をつけた
西本選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、第2ゲーム、相手に逆転を許した場面を振り返り、「先に19点を取られ、以前なら“やばいやばい”となっていたところで、気持ちを切り替えてプレーできた」と話し、メンタル面の成長として評価した。同時に、「結果的に勝てて良かったが、もっと早く切り替えられれば苦しめられずにすんだ。まだまだ」と自らを戒めた
次に対戦する香港ウン・カロン選手については、世界選手権を制したビクター・アクセルセンを筆頭に同世代の選手が世界の男子シングルスの中核を占めてきている中、「自分の方が世界ランクは下ながら、日本の男子シングルスとしてのプライドと責任を持って(同世代のライバルに)立ち向かいたい」と意気込みを語った
西本選手の活躍とは対照的に、男子ダブルス陣はこの日振るわず、園田啓悟・嘉村健士組、遠藤大由・渡辺勇大組ともにストレート負け。誰もベスト8に残れなかった
このうち遠藤選手は、第3シードの中国ツァン・ナン/リュウ・チェン組に敗戦した直後、BadPaL に対し、「(この試合の)収穫はゼロ。世界のトップペアの足元にも及んでいない」とばっさり。「小さいところからしっかりやっていかないとダメ」と述べて、ミックスゾーンを歩み去った
一方、日本の女子はダブルス2ペア、高橋礼華・松友美佐紀組と福島由紀・廣田彩花組がともにストレート勝ち。そろって準々決勝に進んだ
福島・廣田組は BadPaL に対し、第2ゲーム22-20までもつれるなど競り合いとなった試合を、インドネシアペアが相手で想定していたと語った。また1回戦で「びっくりした」風は、あまり意識しすぎずにプレーしたという
今シーズン初戦でベスト8を確保したが、福島選手は、昨年は上位大会で優勝できた反面、1回戦負けもあり、「ばらつきがあって自分はそれが嫌だった」と指摘。今シーズンは、ベスト8を上回る形で安定した結果を残していきたい意向を示した。また廣田選手は、「昨年国際大会を回った経験から、自分たちのプレーができればベスト8は越えていける、という自信は持てるようになってきた」と述べている
女子シングルスは、出場したA代表3人がそろって勝利した前日とはうって変わり、佐藤冴香、大堀彩の2人が敗退。勝ち残りは山口選手のみとなった
山口選手は前日に続いて、はた目にも万全とはいえない試合内容ながら、前週タイマスターズで優勝し勢いに乗るタイのニチャオン・ジンダポン選手をファイナルゲーム21-18で振り切り、ベスト8枠をきっちり確保してみせた
ただ試合後には、故障ではないが体が重たい感じで、「もう少し気持ちでカバーしていければいいが」と述べ、自身、満足のいくプレーでなかったことを認めた。準々決勝に向けては、セルフケアをしてコンディションを高める努力をするという一方、「どういう状況であっても勝てるように」と、A代表としての覚悟をのぞかせた
一方、同じA代表に今年から上がった大堀選手は、ジュニア時代に勝っていたマレーシアのリー・インイン選手にフルゲームの末に敗れた。試合後、「ひとことで言うと難しかった」と BadPaL に話し、今大会で初めて試合をしたマレーシアの主要会場「アシアタアリーナ」に十分対応できなかったことを認めた。この点については、大会スタート前の練習時、風に不安を感じた、と前日明かしていた
その上で、この敗戦を経験と位置付け、次週に控えるインドネシアマスターズに向け「気持ちを切り替えるしかない」と、悔し涙をこらえつつ言葉を絞り出した
日本選手2回戦の結果
【男子シングルス】
西本拳太<21-12,22-20>ホワン・ユーシアン(中国)
【女子シングルス】
山口茜(第2シード)<18-21,21-19,21-18>ニチャオン・ジンダポン(タイ)
ホー・ビンジャオ(中国)<9-21,21-15,21-14>佐藤冴香
大堀彩<18-21,21-17,11-21>リー・インイン(マレーシア※予選勝ち上がり)
【男子ダブルス】
園田啓悟・嘉村健士(第4シード)<17-21,17-21>ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア)
ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、第3シード)<21-11,21-13>遠藤大由・渡辺勇大
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)<21-15,21-11>フン・シーハン/チアン・カイシン(台湾)
福島由紀・廣田彩花(第4シード)<21-15,22-20>マハデウィ・イスティラニ・ニ・ケトゥット/アンギア・シッタ・アワンダ(インドネシア)
準々決勝の対戦カード
【男子シングルス】
ビクター・アクセルセン(デンマーク、第1シード)対ジョナタン・クリスティ(インドネシア)
スッパンユ・アビヒンサノン(タイ※予選繰り上がり)対ダレン・リュー(マレーシア※予選勝ち上がり)
アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)対ハンス・クリスチャン・ビッティングス(デンマーク)
ウン・カロン(香港、第7シード)対西本拳太
【女子シングルス】
タイ・ツーイン(台湾、第1シード)対チェン・ユーフェイ(中国、第8シード)
カロリナ・マリン(スペイン、第4シード)対リー・インイン(マレーシア※予選勝ち上がり)
ラッチャノク・インタノン(タイ、第5シード)対ゴー・ジンウェイ(マレーシア※予選繰り上がり)
山口茜(第2シード)対ホー・ビンジャオ(中国)
【男子ダブルス】
チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾,第8シード)対リャオ・ミンチュン/スー・チェンヘン(台湾)
ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、第3シード)対ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン(マレーシア)
ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア)対キッティヌポン・ケドレン/デチャポン・プアバラヌクロー(タイ)
リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第2シード)対マッズ・コンラド・ペターセン/マッズ・ピーラー・コルディング(デンマーク、第5シード)
【女子ダブルス】
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、第1シード)対チェ・ユジョン/キム・ヘリン(韓国)
福島由紀・廣田彩花(第4シード)対ホワン・ドンピン/リ・インフェイ(中国)
クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、第3シード)対タン・ジンフア/ユー・シャオハン(中国、第7シード)
高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)対イ・ソヒ/シン・スンチャン (韓国、第5シード)
【混合ダブルス】
ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第1シード)対ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第5シード)
ソ・スンジェ/キム・ハナ(韓国、第3シード)対ハフィズ・ファイザル/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ(インドネシア)
タン・キアンメン/ライ・ペイジン(マレーシア、第4シード)対ゴー・スーンフアト/シェボン・ジェミー・ライ(マレーシア、第8シード)
タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港、第2シード)対チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア)