Kenta and Aya make good start in 2018 by beating top shuttlers

今シーズン最初の「SUPER500(スーパーシリーズ相当)」、マレーシアマスターズがクアラルンプールで開幕し、西本拳太選手と大堀彩選手が1回戦で世界ランク1ケタのトップ選手を倒し、上々のスタートを切った

西本選手は初戦、いきなり開催国マレーシアのエース、リー・チョンウェイ選手とぶつかった。昨年10月のフレンチオープンで一度勝ってはいるが、まだまだ格上と認める相手に第1ゲームから食らい付く。19-18まで競り合うが、その後、微妙な判定もあり逆転され19-21で落とす。この流れを受け、第2ゲームは前半を4-11と大きくリードされ折り返す。しかし後半早々追い上げ12-12で追いつくと、そのまま逆転に成功。終盤、再度逆転を許すが、コートマットがはがれ隣のコートに移動するアクシデントも発生する中、気持ちを切らすことなく得点を重ね、16-18の劣勢を挽回し21-18でこのゲームを取り返す

ファイナルゲームは動きの落ちたチョンウェイ選手を西本選手が徐々に引き離していき、18-10と大差をつける。ただ、「ここから絶対来ると思っていた」と試合後話した西本選手の言葉通り、チョンウェイ選手の猛追に遭う。対照的に、「消極的になってしまった」という西本選手のプレーもマイナスに影響して、会場の盛り上がりを含め流れはチョンウェイ選手に移り、1点差(20-19)まで詰め寄られる。それでも何とか踏みとどまり、21-19でチョンウェイ選手から貴重な2勝目を挙げた

西本選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、第2シード相手の1回戦だったが、「互いに向上心を持って競い合っている日本男子シングルス陣の中であって、負けていられない。自分でもできるんだという強い気持ちで試合に入った」と述べた。また、今シーズンの「初戦」に臨むに当たり、「年初からしっかり準備ができていた」と説明した。昨シーズンの初めは、前年末に全日本総合で優勝していたことで、「浮かれていたわけではないが、妥協していた部分があった」と話す。その上で、「しっかり準備をして試合に入り、それを出し切った上での勝利、敗戦を繰り返していく」ことが、ここからさらに成長していくためのカギと位置付けている

チョンウェイ選手に対しては、「2勝したが、自分が上だとは思っていない」と強調。この試合でも、途中、チョンウェイ選手が準備万端でこの大会を迎えていないことに気付いたといい、「次、万全な状態のチョンウェイ選手と対戦した時も勝てるように」と、気を緩める様子は一切見せなかった

なお今大会の男子シングルス1回戦では、リー・チョンウェイ選手のほか、チェン・ロン選手、ソン・ワンホ選手、リン・ダン選手、チチョウ・ティエンチェン選手と、シード勢が相次ぎ姿を消した

女子シングルスA代表として「初戦」を迎えた大堀選手は、韓国のエースで世界ランク6位のソン・ジヒョン選手と対戦した。ソン選手優勢と見る向きが多かったが、いざ試合が始まってみると、大堀選手が序盤より主導権を握り、次々に点数を重ねていき、21-15で第1ゲームを取る。第2ゲームは前半もみ合うも、10-9から大堀選手が抜け出すと、そのまま一気に勝負を決した

B代表の時、上位大会では自信が持てなかったと話していた大堀選手、今大会に臨むに当たり、「(相手棄権を除き)勝ったことがなかったので、勝てる自信があった、と言うとうそになる」と認めた。ただ、「A代表として、勝ちたいという気持ちは相手より強かった」と強調した。その上で、2018年の初戦となったこの試合、「1年間のスタートとして重要と位置付けていた」と認め、勝てたことに意義を見出していた

ただ、マレーシアのメディアに、世界ランク上位につける日本のトップ3選手、山口茜、奥原希望、佐藤冴香との差が詰まってきていると考えるか、と聞かれると、「確かに世界ランクは上がってきたが、優勝はGPゴールドだけ。ほかのA代表3人は皆、その上のスーパーシリーズ(SS)のタイトルを獲っている」と指摘。現時点における差を率直に認め、早く追いついていきたいと答えた

A代表として国際大会を回る今シーズン、全体を通じての課題を尋ねると、今大会を含め、「1大会1大会、何かを得て終われるようにしたい。勉強のような気持ちで」と答えた

故障したひざの回復具合が十分でないと出場をとりやめた奥原選手を除き、A代表3人が出場している今大会、大堀選手のほか、山口選手、佐藤冴香選手も順当に初戦を突破した。ただ、山口選手はマレーシアのリム・インフン選手相手に思いのほか手間取り、試合後、「ミスが多く、集中力が足りなかった」と反省の弁を口にした。考えられる要因を尋ねると、S/Jリーグからバタバタしたのに加え、「会場内に吹く風の影響か分からないが、シャトルが“ぶれる”」と説明。ゆっくりプレーしている時はいいが、スピードを上げていかないといけない時に思うようにヒットしないなど、影響が出ていたことを明かした

ダブルス陣は、エントリーした女子2ペアが予選勝ち上がりのペアを退け、そろって初戦突破。このうち高橋礼華・松友美佐紀組は、昨年1年間を経て、全日本総合選手権の後、コーチらも含めて話し合い、もう一回、2人で五輪を目指す意向を固めたことを確認。「気持ちの整理がついた。今シーズンの初戦、昨年とは違った気持ちで大会に臨めている。ここから楽しみ」とすっきりした表情で答えた

福島由紀・廣田彩花組は今年の国際大会初戦について、直前に行われたS/Jリーグでの敗戦からしっかり切り替え、「動き自体悪くなかった」と自己評価。ただ、2人にとって初めて試合をする会場で、「風にびっくりした」と苦笑した。今シーズン目指すところを聞くと、「昨年より成長できれば」。具体的には、2人のコンビネーションで攻守のパターンを増やす、コンスタントに結果を出せるようにする、などを挙げた

一方、男子は、園田啓悟・嘉村健士組と遠藤大由・渡辺勇大組がともにストレート勝ちで2回戦に進んだが、金子祐樹・井上拓斗組は第2シードの中国リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ組に敗れ、今年の初白星は翌週のインドネシアマスターズまでお預けとなった

混合は、昨年12月の全日本総合を制した日本チャンピオン、渡辺勇大・東野有紗組が、インドネシアの組み替えペア、プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ組に挑んだ。しかし、19-15とリードしながら逆転を許したオープニングゲームが響き、ストレート負けで今シーズン最初の大会を終えた

日本選手1回戦の結果

【男子シングルス】

ワン・ツーウェイ(香港、第8シード)<21-12,15-21,21-11>坂井一将

リー・チョンウェイ(マレーシア、第2シード)<21-19,18-21,19-21>西本拳太

【女子シングルス】

山口茜(第2シード)<21-18,17-21,21-12>リム・インフン(マレーシア※予選勝ち上がり)

佐藤冴香<21-17,21-14>ポーンパウィー・チョチュウォン(タイ)

ソン・ジヒョン(韓国、第6シード)<15-21,13-21>大堀彩

※奥原希望は出場取りやめ

【男子ダブルス】

園田啓悟・嘉村健士(第4シード)<21-11,21-9>マシアス・クリスチャンセン/デビッド・ダウガード(デンマーク)

リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第2シード)<21-17,21-14>金子祐樹・井上拓斗

遠藤大由・渡辺勇大<21-11,21-12>ロウ・チュクヒム/オール・チンチュン(香港※予選繰り上がり)

【女子ダブルス】

高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)<21-10,21-12>ウォン・クリスタル・ジアイン/オン・レンネ(シンガポール※予選勝ち上がり)

福島由紀・廣田彩花(第4シード)<21-7,21-10>ブリギタ・マルセリア・ルマンビ/ザラ・ファザ・アズカ(インドネシア※予選勝ち上がり)

【混合ダブルス】

プラビーン・ジョーダン/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア)<25-23,21-16>渡辺勇大・東野有紗

日本選手2回戦の対戦カード

【男子シングルス】

西本拳太対ホワン・ユーシアン(中国)

【女子シングルス】

山口茜(第2シード)対ニチャオン・ジンダポン(タイ)

ホー・ビンジャオ(中国)対佐藤冴香

大堀彩対リー・インイン(マレーシア※予選勝ち上がり)

【男子ダブルス】

園田啓悟・嘉村健士(第4シード)対ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア)

ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、第3シード)対遠藤大由・渡辺勇大

【女子ダブルス】

高橋礼華・松友美佐紀(第2シード)対フン・シーハン/チアン・カイシン(台湾)

福島由紀・廣田彩花(第4シード)対マハデウィ・イスティラニ・ニ・ケトゥット/アンギア・シッタ・アワンダ(インドネシア)

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