
マカオオープンGPゴールド決勝、桃田賢斗選手は準決勝に続いて、相手を圧倒する強さを見せ、ストレート勝ち。国際大会復帰後6度目の決勝進出で5大会連続となる優勝を決めるとともに、男子シングルスでは日本で2人目のGPゴールドタイトルホルダーとなった
日本バドミントン協会に出場停止処分を受ける前、上位大会スーパーシリーズ(SS)で、プレミア、ファイナルを含め4度優勝している桃田選手だが、その下に格付けられるGPゴールドでは、一度も決勝に進んだ経験がなかった。ただ、前日の準決勝に続いてこの日も出足好調。第1ゲーム前半を11-6で折り返す。2015年タイオープンGPゴールド以来2年ぶりの決勝進出で優勝への想いが強いイーサン・マウラナ・ムストファ選手(インドネシア)も後半追い上げ、17-15と2点差まで迫るが、桃田選手はしっかり振り切る
リードして迎えた第2ゲームも気を緩めることなく、開始早々9連続得点を決めて相手の気持ちを折る。後半、15-10と点差は詰まるが、ここからまたも連続得点を決め勝負あり。表彰台に上がったムストファ選手の表情からもうかがえた、どうすることもできないと対戦相手に思わせる強さを見せ、7月USインターナショナルシリーズ、9月ベルギーインターナショナルチャレンジ、9月チェコインターナショナルチャレンジ、10月ダッチオープンGPに次ぐ、5大会連続となる国際タイトルを手にした
日本男子シングルス陣でGPゴールド制覇を遂げたのは過去、2011年、オーストラリアンオープンとUSオープンで優勝した佐々木翔元選手しかおらず、桃田選手は2人目。シニア大会の国際タイトル通算獲得数は、格付けの低い大会から順に、◆インターナショナルシリーズ2勝◆インターナショナルチャレンジ4勝◆GP1勝◆GPゴールド1勝◆SS4勝(SS2勝、SSプレミア1勝、SSファイナル1勝)――となった
また、今回の優勝でランキングポイント7,000点を得て、16日付更新の世界ランキングでは五十嵐優選手と上田拓馬選手を抜いて日本4番手に上がる
元世界2位の桃田選手は、競技復帰を認められてから半年かけ、上位大会SSで再び戦える力を証明した。この後は、来年の日本A代表入りのかかる一発勝負、全日本総合選手権(11月27日~12月3日)に挑む
女子シングルスは、今月15日に18歳になる中国6番手のツァイ・ヤンヤン選手が、26歳で初めてGPゴールド決勝に進んだパイ・ユーポ選手(台湾)をフルゲームの末に降し、優勝。2015年から数えてシニア大会出場10大会目にして、1月のチャイナインターナショナルチャレンジに次ぐ2つ目のタイトルを手にした
男子ダブルスでは、アデ・ユスフ・サントソ/ワヒュ・ナヤカ・アルヤ・パンカルヤニラ組が、第3シードの金子祐樹・井上拓斗組と第1シードのリー・ジェフエイ/リー・ヤン組(台湾)を破って勝ち上がった韓国の20歳と18歳が組む若いペアを抑え込み、桃田選手に奪われた男子シングルスのタイトルに代わるダブルスのタイトルを、インドネシアに持ち帰った
女子ダブルスでも、実績、経験で勝る2012年世界ジュニア銀メダルの中国ホワン・ヤチオン/ユー・シャオハン組が、今年の世界ジュニアを制した若い韓国ペア、イ・ユリム/ペク・ハナ組のシニア大会初優勝をきっちり阻んだ
混合ダブルスは、世界1位ツェン・シウェイ、世界2位ホワン・ヤチオンの中国選手2人がペアとして初めて臨んだ国際大会で優勝。元世界1位のキム・ハナ選手(27)が若いソ・スンジェ選手(20)を引っ張り、USオープンGPゴールド優勝に続き、日本、韓国、デンマークとSS3大会連続でベスト8入りした上り調子の韓国ペアを、ストレートで退けた。ホワン・ヤチオン選手は、2種目制覇を達成
決勝の結果
【男子シングルス】 イーサン・マウラナ・ムストファ(インドネシア、世界70位)<16-21,10-21>桃田賢斗(世界74位)
【女子シングルス】 パイ・ユーポ(台湾、世界42位)<15-21,21-17,16-21>ツァイ・ヤンヤン(中国、世界91位)
【男子ダブルス】 アデ・ユスフ・サントソ/ワヒュ・ナヤカ・アルヤ・パンカルヤニラ(インドネシア、世界61位)<21-13,21-14>ソ・スンジェ/キム・ウォンホ(韓国、世界79位)
【女子ダブルス】 ホワン・ヤチオン/ユー・シャオハン(中国、世界39位)<21-10,21-17>イ・ユリム/ペク・ハナ(韓国、世界117位)
【混合ダブルス】 ソ・スンジェ/キム・ハナ(韓国、世界21位)<14-21,11-21>ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界ランクなし)