
日本のバドミントントップリーグ「S/Jリーグ」があす4日、熊本で開幕する。今シーズンは、後半戦の日程が世界バドミントン連盟(BWF)の定めた上位国際大会のスケジュールと大きく重なるため、これまでに増して、各チームの総合力が試される
S/Jリーグ、今シーズンの日程は大別して、【1】熊本大会(11月4~5日)【2】北海道/福島/富山大会(12月23~24日)【3】山口/宮城/埼玉/神奈川大会(1月13~14日)【4】岐阜/秋田/京都/鳥取大会(1月20~21日)【5】長野/福井/岡山/沖縄大会(1月28日)【6】東京大会(2月3~4日)――の6つ。このうち、前半の【1】~【3】は問題ない
しかし、後半の【4】【5】【6】はそれぞれ、◆マレーシアマスターズ(1月16~21日)◆インドネシアマスターズ(1月23~28日)◆インドオープン(1月30日~2月4日)――という、来シーズンからスーパーシリーズ(SS)と同等のレベル4に格付けされる上位3大会と開催時期が重なる。とりわけ、マレーシアとインドネシアは、今シーズンから日本代表チームのメーンスポンサーを務めるダイハツ工業が協賛する大会のため、A代表が派遣される可能は高い

一方で、チームを持つ企業にとっては、日本代表として活躍するチームのエース級に、国際大会を回避させても国内大会に出場させたい思惑がある。かつてはこうした企業の論理が、選手の意思を置き去りにして議論の余地なく通ることも少なくなかった。ただ、高橋礼華・松友美佐紀組がリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得しより大きな夢を実現してみせたこと、さらに自国開催の東京五輪が後に控えることで、そうした雰囲気は少し変わりつつある
いずれにせよ、少なくとも【4】と【5】については、男女ともに代表選手を抱える上位チームは主力抜きで戦う必要が出てきそう。逆に、代表のいない下位チームにとっては上位を倒せる好機となり得る
さらにその意味では、2018年の日本代表メンバーを決める全日本総合選手権(11月27日~12月3日)の結果も、今シーズンのS/Jリーグの勝敗の行方を左右する重要なファクターとなる

また今シーズンは、従来の「こなすリーグ」から「見てもらうリーグ」へ本格的に移行するため、開催地ごとの大会を盛り上げるための工夫に注目する。熊本は、昨シーズンの盛り上げ方を見る限り、開幕戦の会場として最適。ただ、昨シーズンと同じにとどまらない、見る人の心を湧き立たせる新たな「仕掛け」は必須だ
◆S/Jリーグ参戦チーム(太字は前回覇者)
【男子】
トナミ運輸(富山・高岡市)、日本ユニシス(東京・江東区)、日立情報通信エンジニアリング(横浜・西区)、トリッキーパンダース(京都・南区)、NTT東日本(東京・新宿区)、JR北海道(札幌・中央区)、金沢学院クラブ(石川・金沢市)、三菱自動車京都(京都・右京区)
【女子】
再春館製薬所(熊本・上益城郡)、日本ユニシス(東京・江東区)、北都銀行(秋田・秋田市)、NTT東日本(東京・新宿区)、ヨネックス(東京・文京区)、ACT SAIKYO(山口・周南市)、山陰合同銀行(島根・松江市)、七十七銀行(仙台・青葉区)