インドネシアオープンスーパーシリーズ(SS)プレミアは12日に開幕。14日までに各種目の1回戦を終えたが、ディフェンディングチャンピオンの高橋礼華・松友美佐紀組を含む複数の五輪メダリストが早々に敗退した。皆が同じ条件のため誰も言い訳にしていないが、試合会場の変更が影響しているのは否定できない
男女混合の国・地域別対抗戦スディルマン杯から2週間を経て再開したワールドツアーは、波乱含みのスタートとなった。リオデジャネイロ五輪金メダリストのカロリナ・マリン選手と高橋・松友組、銅メダリストのビクター・アクセルセン選手。ロンドン五輪金メダリストのリン・ダン選手が相次ぎ初戦敗退。さらに、男子ダブルス世界ランク1位のマルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ組、前世界チャンピオンで2015年インドネシアオープン優勝のラッチャノク・インタノン選手も2回戦に進めなかった
また、インドネシアオープン最多優勝(6回)を誇るリー・チョンウェイ選手と、地元インドネシアのリオ五輪金メダリスト、タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組も1回戦負け寸前まで追い込まれた
インドネシアオープンは例年、「イストラセナヤン」を会場とするが、今年は来年に控えるアジア競技大会に向け改装工事に入っているため、近隣の「ジャカルタコンベンションセンター」に場所を移して行われている。小規模で円形、空調や照明も異なり、ベテランのリー・チョンウェイ、リン・ダン両選手が試合後、新しい試合環境への対応の遅れを指摘した通り、会場変更がとりわけ初戦のプレーに影響を及ぼしたことは明白だ
日本勢は、男子シングルスで予選を勝ち上がってきた坂井一将選手が、同じく予選を突破したマレーシアのチョン・ウェイフェン選手を下し2回戦に進出。女子シングルスは、佐藤冴香選手が初顔合わせでストレート負けしていた世界ランク上位の中国ホー・ビンジャオ選手、奥原希望選手は直近2度の対戦で嫌な負け方で連敗したカナダのミッシェル・リ選手、山口茜選手は4月のアジア選手権で奥原選手ら格上を次々を破り躍進した韓国の若手成長株イ・チャンミ選手、という難しい相手にいずれもストレート勝ちを収めた。一方、三谷美菜津選手は、今年負けなしの世界1位、台湾タイ・ツーイン選手の前に屈し、2回戦には進めなかった
ダブルス陣は、園田啓悟・嘉村健士組が男子唯一の勝ち残り。遠藤大由・渡辺勇大組はヘンドラ・セティアワン/タン・ブンヒョン組を第1ゲーム圧倒。第2ゲームも20-18まで追い詰めながら、このゲームでつかんだ合わせて5つのマッチポイントを決め切れず、痛い逆転負けを喫した
女子は、警戒していた中国ホワン・ヤチオン/ユー・シャオハン組に敗れた高橋・松友組を除き、米元小春・田中志穂、福万尚子・與猶くるみ、福島由紀・廣田彩花の3ペアは順当に勝ち上がった。混合では、スディルマン杯で活躍した渡辺勇大・東野有紗組が、それぞれ2011年と12年の世界ジュニア混合ダブルスのタイトルを持つ2人を組ませた地元インドネシアペアを粉砕。世界ランク1位との再戦の待つ2回戦へ駒を進めた
2回戦では女子2種目で、山口対奥原、米元・田中対福万・與猶の日本勢対決2試合が組まれている
日本選手1回戦の結果
【男子シングルス】 チョン・ウェイフェン(マレーシア、世界40位※予選勝ち上がり)〈18-21,8-21〉坂井一将(世界49位※予選勝ち上がり)
【女子シングルス】 山口茜(世界4位)〈21-15,21-19〉イ・チャンミ(韓国、世界44位)、奥原希望(世界13位)〈21-12,21-13〉ミッシェル・リ(カナダ、世界38位)、ホー・ビンジャオ(中国、世界7位)〈17-21,18-21〉佐藤冴香(世界17位)、タイ・ツーイン(台湾、世界1位)〈21-8,21-12〉三谷美菜津(世界18位)
【男子ダブルス】 園田啓悟・嘉村健士(世界5位)〈21-18,14-10棄権〉チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、世界11位)、小林優吾・保木卓朗(世界17位)〈16-21,13-21〉デビッド・ダウガード/マシアス・クリスチャンセン(デンマーク、世界20位)、遠藤大由・渡辺勇大(世界30位※予選繰り上がり)〈21-10,24-26,21-23〉ヘンドラ・セティアワン/タン・ブンヒョン(インドネシア/マレーシア、世界34位※予選勝ち上がり)
【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈7-21,20-22〉ホワン・ヤチオン/ユー・シャオハン(中国、世界ランクなし)、米元小春・田中志穂(世界8位)〈21-18,14-21,21-12〉ヤップ・チェンウェン/リム・インルー(マレーシア、世界19位)、福万尚子・與猶くるみ(世界9位)〈21-10,21-14〉デビ・ティカ・ぺルマタサリ/ケシャ・ヌルビタ・ハナディア(インドネシア、世界53位)、福島由紀・廣田彩花(世界14位)〈21-10,21-14〉ジャウザ・ファディラ・スギアルト/セレナ・カニ(インドネシア、世界620位)
【混合ダブルス】 数野健太・栗原文音(世界13位)〈14-21,18-21〉アルフィアン・エコ・プラセトヤ/アニサ・サウフィカ(インドネシア、世界31位)、渡辺勇大・東野有紗(世界22位)〈21-18,13-21,21-17〉エディ・スバクティアル/グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ(インドネシア、世界81位)
日本選手2回戦の対戦カード
【男子シングルス】 エミル・ホルスト(デンマーク、世界41位※予選勝ち上がり)対坂井一将(世界49位※予選勝ち上がり)
【女子シングルス】 山口茜(世界4位)対奥原希望(世界13位)、佐藤冴香(世界17位)対リー・チアシン(台湾、世界30位)
【男子ダブルス】 園田啓悟・嘉村健士(世界5位)対デビッド・ダウガード/マシアス・クリスチャンセン(デンマーク、世界20位)
【女子ダブルス】 米元小春・田中志穂(世界8位)対福万尚子・與猶くるみ(世界9位)、福島由紀・廣田彩花(世界14位)対ホワン・ヤチオン/ユー・シャオハン(中国、世界ランクなし)
【混合ダブルス】 ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界1位)対渡辺勇大・東野有紗(世界22位)