シンガポールオープンSS準決勝、トップ4のつぶし合いとなった女子ダブルスで、世界ランク1位の高橋礼華・松友美佐紀組は4位の韓国ペアを下し、一昨年、昨年に続いて決勝進出。今シーズンの初タイトルへ王手をかけた
高橋・松友組は、昨年8月のリオデジャネイロ五輪準決勝に続き、10月デンマークオープンSSプレミア決勝でも勝っていた韓国チョン・ギョンウン/シン・スンチャン組をストレートで破り、この大会、3年連続4度目の決勝進出を果たした
高橋選手は試合後、ベスト4に世界ランク1~4位が並んだことで、「ワクワクして、楽しみな気持ちで試合を迎えた」と語った。五輪時に比べ、対戦した韓国ペアが「少し落ちている」と感じつつも、自分たちのプレーをできたことが勝因と振り返った。松友選手は、「昨年、足を負傷して棄権せざるを得なかったシンガポールオープン決勝の舞台に再び戻ってこれてうれしい」と語った。その上で、準決勝では自分たちが取り組んでいるプレーの幾つかは機能したが、決勝でもそうなるとは限らないとし、「また明日、という気持ちで」挑む覚悟を口にした
男子ダブルスは、今シーズンここまで、全英、インド、マレーシアと勝ちっぱなしだった世界1位、インドネシアのマルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ組が、出場4大会目にして初黒星を喫した。勝ったのは、前日、園田啓悟・嘉村健士組を圧倒したデンマークのベテラン、マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組。試合後、相手が好まない体力勝負を仕掛けたことを明かした
36歳のボー選手は、「ギデオン/スカムルジョ組を破るのは容易ではない」と断った上で、巧みなラケットさばきで前衛に入ると厄介なスカムルジョ選手を後衛にくぎ付けにして、ギデオン選手にプレッシャーをかける。これが今シーズン好調のインドネシアペアに対抗する戦略であると指摘。ほかのペアも対戦時に採用するよう、笑みを交えて呼びかけた
敗れたギデオン選手も試合後、序盤は短いラリーで自分たちのゲームだったが、その後、「高い球、重い球でこられて、相当な体力を擁し、難しかった」と、この戦略に苦慮したことを認めている
女子シングルスは、昨年11月の香港オープンから負けなしの世界1位、台湾タイ・ツーイン選手が、山口茜選手を破って勝ち上がった米国ツァン・ベイウェン選手をストレートで下し、もう1つの山から決勝に進んだ世界2位、スペインのカロリナ・マリン選手と、前週のマレーシアオープンに続き、大会最終日に激突する
男子シングルスは、インドのキダンビ・スリカンス選手とB.サイ・プラニース選手が勝って、スリカンス選手は2014年チャイナオープンと15年インドオープンに次ぐ3つ目、プラニース選手は初のSSタイトルをかけ、決勝を戦う
混合ダブルスは、スイスオープングランプリ(GP)ゴールドで優勝したタイのデチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ組が、マレーシアのタン・キアンメン/ライ・ペイジン組に逆転勝ちし、初めてSS決勝に進んだ
もうひと試合は、韓国キム・ギジョン/シン・スンチャン組が世界2位の中国ルー・カイ/ホワン・ヤチオン組から第1ゲームを先取するが、地力に勝る中国ペアが続く2ゲームを奪い返し、今シーズン5大会連続(このうちSS4大会)となる決勝進出を決めた
なお韓国勢は、シングルス2人、ダブルス3ペアが準決勝に進んだが、誰も決勝には残れなかった
準決勝の結果
【男子シングルス】
B.サイ・プラニース(インド、世界30位)〈21-6,21-8〉イ・ドンクン(韓国、世界35位)
アンソニー・シンスカ・ギンティン(インドネシア、世界26位)〈13-21,14-21〉キダンビ・スリカンス(インド、世界29位)
【女子シングルス】
タイ・ツーイン(台湾、世界1位)〈21-19,21-15〉ツァン・ベイウェン(米国、世界13位)
カロリナ・マリン(スペイン、世界2位)〈21-9,21-12〉ソン・ジヒョン(韓国、世界3位)
【男子ダブルス】
マルクス・フェルナルディ・ギデオン/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界1位)〈21-11,11-21,14-21〉マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界6位)
リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界2位)〈15-21,21-10,21-16〉ハルディアント/ベリー・アングリアワン(インドネシア、世界65位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-17,21-17〉チョン・ギョンウン/シン・スンチャン(韓国、世界4位)
クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界2位)〈28-26,21-11〉チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界3位)
【混合ダブルス】
ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界2位)〈16-21,21-17,21-12〉キム・ギジョン/シン・スンチャン(韓国、世界27位)
タン・キアンメン/ライ・ペイジン(マレーシア、世界10位)〈21-18,11-21,14-21〉デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ(タイ、世界11位)
決勝の対戦カード
【男子シングルス】 キダンビ・スリカンス(インド、世界29位)対B.サイ・プラニース(インド、世界30位)
【女子シングルス】 タイ・ツーイン(台湾、世界1位)対カロリナ・マリン(スペイン、世界2位)
【男子ダブルス】 リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、世界2位)対マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界6位)
【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界2位)
【混合ダブルス】 ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界2位)対デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ(タイ、世界11位)