フレンチオープンSS準々決勝、中国の若手が男子ダブルスを除く4種目でベスト4に入り、王国次世代の力として世界にその存在感を示している。このうち男子シングルスの20歳シー・ユーチ選手は、ジャパンオープンとデンマークオープンのベスト8に続く安定した活躍で、既にトップ10の選手から勝利も挙げ世界ランクは20位内に突入。着実にSS初優勝へ近づきつつある

リオデジャネイロ五輪後、最初のSSとなったジャパンオープンでは、女子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの3種目で中国の若手が優勝を遂げた。この時、シー選手は準々決勝まで進んだがリー・チョンウェイ選手にストレートで敗れ、率直に力の差を認め次へと目を向けていた。続く韓国オープンでは苦手とする地元のエース、ソン・ワンホ選手に1回戦負け。ただ、前週のデンマークオープンは世界4位ヤン・ヨルゲンセン選手を破るなどしてベスト8入り。そして今大会、2回戦で先輩である世界7位ティエン・ホウウェイ選手から白星を挙げると、準々決勝ではインドネシア期待のジョナタン・クリスティ選手に勝って、初めてSSベスト4に到達した
シー選手はジュニア時代から名の知られた逸材で、2014年アジアジュニア選手権決勝で常山幹太選手を破って優勝。世界ジュニアは同じ中国のリン・グェイプ選手に敗れ準優勝に終わったが、同年南京で開催された4年に一度のユース五輪では、そのリン選手を決勝で下し金メダルを手にしている。なお、ユース五輪の女子シングルス決勝で山口茜選手を破り中国アベック優勝を果たしたのが、今大会、準決勝に進んだ19歳ホー・ビンジャオ選手。ホー選手は9月のジャパンオープンで、一足先にSSの初タイトルをつかんだ
日本勢は、SS3大会連続優勝の期待もあった山口茜選手が、アメリカのツァン・ベイウェン選手のねばりの戦略を前に、ファイナルゲーム18-16から逆転され敗退。五輪後の自らの課題の1つに位置づけ、日本、韓国、デンマークと3大会続けてきたSSベスト4以上の記録もここで途絶えた
シンガポールからアメリカに活動拠点を移し、アドバイスを送るコーチもなく独りで戦い勝利したツァン選手は試合後、過去2戦2敗の相手を研究し、自分からミスをせず粘り強くつないでいく戦略で臨んだ。身長の低い山口選手にはエースとなるショットがないが、それでも厳しい試合で疲れた、と話した
女子ダブルス日本勢同士の対決は、前週デンマークの準々決勝と同じく、世界1位の高橋礼華・松友美佐紀組が9位の福万尚子・與猶くるみ組に勝利。国際大会での対戦成績を7勝1敗とした
男子ダブルスの園田啓悟・嘉村健士組、混合ダブルスの数野健太・栗原文音組はともに、世界ランク上位の相手に敗れ準々決勝敗退。ただ、SSランキングで各種目上位8組に出場権が与えられる年末のSSファイナルに向け、必要最低限となるベスト8は確保した。27日時点で、園田・嘉村組は男子ダブルス3位、数野・栗原組は混合ダブルス8位につけている
準々決勝の結果
【男子シングルス】
ソン・ワンホ(韓国、世界6位)〈21-6,18-21,14-21〉スー・ジェンハオ(台湾、世界24位)
シー・ユーチ(中国、世界19位)〈12-21,21-19,21-16〉ジョナタン・クリスティ(インドネシア、世界22位)
ヤン・ヨルゲンセン(デンマーク、世界4位)〈25-27,12-21〉ウン・カロン(香港、世界11位)
チョウ・ティエンチェン(台湾、世界8位)〈22-24,16-21〉イ・ヒョンイル(韓国、世界17位)
【女子シングルス】
山口茜(世界7位)〈16-21,21-13,18-21〉ツァン・ベイウェン(アメリカ、世界19位)
スン・ユ(中国、世界9位)〈21-15,22-20〉ブサナン・ウンバンルンパン(タイ、世界14位)
タイ・ツーイン(台湾、世界5位)〈15-21,21-5,15-21〉ソン・ジヒョン(韓国、世界8位)
ホー・ビンジャオ(中国、世界11位)〈21-18,15-21,,22-20〉チアン・メイフイ(台湾、世界64位※予選繰り上がり)
【男子ダブルス】
ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア、世界13位)〈14-21,14-21〉ボディンイサラ/ニピトポン・プアンプアぺト(タイ、世界20位)
リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界14位)〈21-13,14-21,21-18〉モハンマド・アーサン/ベリー・アングリアワン(インドネシア、世界334位)
アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ・ソレンセン(デンマーク、世界19位)〈21-19,21-19〉リー・ヤン/リー・ジェフエイ(台湾、世界23位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界9位)〈21-16,21-12〉園田啓悟・嘉村健士(世界15位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-13,21-14〉福万尚子・與猶くるみ(世界9位)
クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界4位)〈19-21,19-21〉チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界14位)
グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界6位)〈21-18,12-21,13-21〉ホワン・ドンピン/リ・インフェイ(中国、世界314位)
チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界7位)〈21-9,21-13〉ロシタ・エカ・プトリ・サリ/デラ・デスティアラ・ハリス(インドネシア、世界19位)21
【混合ダブルス】
コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界1位)〈22-20,15-21,21-15〉数野健太・栗原文音(世界16位)
ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界3位)〈21-15,21-17〉ユ・ヨンソン/チャン・イエナ(韓国、世界35位)
ボディン・イサラ/サビトリー・アミトラパイ(タイ、世界15位)〈14-21,21-23〉ツァン・ナン/リ・インフェイ(中国、世界ランクなし)
プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界2位)〈18-21,14-21〉ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界10位)
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
シー・ユーチ(中国、世界19位)対スー・ジェンハオ(台湾、世界24位)
ウン・カロン(香港、世界11位)対イ・ヒョンイル(韓国、世界17位)
【女子シングルス】
スン・ユ(中国、世界9位)対ツァン・ベイウェン(アメリカ、世界19位)
ソン・ジヒョン(韓国、世界8位)対ホー・ビンジャオ(中国、世界11位)
【男子ダブルス】
リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界14位)対ボディンイサラ/ニピトポン・プアンプアぺト(タイ、世界20位)
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界9位)対アナース・スカールプ・ラスムセン/キム・アストルプ・ソレンセン(デンマーク、世界19位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界14位)
チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界7位)対ホワン・ドンピン/リ・インフェイ(中国、世界314位)
【混合ダブルス】
コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界1位)対ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティナ・ペダーセン(デンマーク、世界3位)
ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界10位)対ツァン・ナン/リ・インフェイ(中国、世界ランクなし)