台湾マスターズGP決勝、日本人対決となった女子2種目で、いずれも自費参戦の峰歩美選手、福島由紀・廣田彩花組がナショナルチームB代表の選手を破り優勝した。峰選手は今年、国際大会3勝目で、この結果を踏まえ世界ランクを20位内に上げてくる

ともにGPゴールドでの優勝経験を持つ峰選手と川上紗恵奈選手による女子シングルス決勝は、接戦となる。ただ、第1ゲームを8-10とリードされながら逆転で先取。今大会初めて第2ゲームを落とすも、第3ゲーム、10-6とリードしながら10-9まで追い上げられるが落とさず、第4ゲームは9-10から逆転と、潮目をしっかりと自分の方へ引き寄せ、相手に流れを渡さなかった峰選手が勝利。昨年の1回戦負けから一転、大躍進を遂げた
峰選手にとって、6月のスペインインターナショナルチャレンジ、7月のUSオープンGPゴールドに続く今年国際大会3勝目。今大会の出場選手のレベルでは負けない自信も深めた。「ランキングポイントは常に意識している」としっかり話す峰選手は今回、GP優勝で5,500点を獲得し、今月20日発表の最新の世界ランキングでは世界20位内に突入。大堀彩選手と橋本由衣選手を抜いて、奥原希望、山口茜、佐藤冴香、三谷美菜津各選手に次ぐ日本5番手に浮上する。そして、世界ランクを高く保ったまま12月の全日本総合選手権で結果を残し、A代表入りを目指す
一方、敗れた川上選手はGP準優勝で4,680点を上乗せし、世界ランクは現在の81位から60位前後まで上昇する。ただ、9番手という日本での立ち位置は変わらない

女子ダブルス日本4番手につける福島・廣田組は、決勝で同5番手の米元・田中組にストレート勝ち。昨年ベスト4どまりだったこの大会で、今年は結局1ゲームも落とさぬ完勝。第1シードに恥じない強さを見せた。国際タイトルを手にするのは、3月のニュージーランドオープンGPゴールドに次いで今年2度目となる
福島、廣田両選手は大会期間中、BadPaL の取材に答え、リオデジャネイロ五輪で高橋礼華・松友美佐紀組が日本バドミントン界史上初の金メダルを獲得したのを見て、「すごいと思った」と率直に認めた。ただ同時に、「自分たちにもできる」(福島)、「あの舞台でやりたい」(廣田)と、五輪を目指す思いをより一層強くしたことを確認した。「もっと試合をやりたい」と話す2人がこの後、まず狙うのは、12月の全日本総合選手権での優勝と、それに伴うA代表入りだ
一方、米元・田中組はこの大会、2年連続で決勝のコートに立ちながら、またも準優勝に終わり、USオープンGPゴールドに続く今年2勝目はならなかった

混合ダブルス決勝に進んだ垰畑亮太選手と米元小春選手は、それぞれ男子ダブルス、女子ダブルスで逃したタイトルの奪取に挑んだが、果たせず。この結果、日本バドミントン協会から今大会に派遣されたB代表は準優勝3つ、優勝なしに終わった

地元台湾勢は、前日、佐伯・垰畑組に競り勝ち、唯一決勝に進んだ男子ダブルス第1シードのワン・チリン/チェン・フンリン組の優勝に期待をかけた。しかし、インドネシアペアにファイナルゲーム10-12で敗れ、準優勝にとどまった
男子シングルスは今大会、日本の3選手(下農走、丸尾亮太郎、堀内研人)を破ったインドで6番手につけるソウラブ・ヴァルマ選手が、マレーシア代表を辞めクラブチームの一員として活動を続けるダレン・リュー選手を第3ゲーム途中棄権に追い込み、GP初優勝を飾った
決勝の結果
【男子シングルス】 ソウラブ・ヴァルマ(インド、世界82位)〈12-10,12-10,3-3棄権〉ダレン・リュー(マレーシア、世界106位)
【女子シングルス】 峰歩美(世界26位)〈12-10,7-11,11-9,12-10〉川上紗恵奈(世界81位)
【男子ダブルス】 ワン・チリン/チェン・フンリン(台湾、世界17位)〈6-11,6-11,13-11,11-9,10-12〉ムハンマド・リアン・アルディアント/ファジャル・アルフィアン(インドネシア、世界41位)
【女子ダブルス】 福島由紀・廣田彩花(世界18位)〈12-10,11-5,11-7〉米元小春・田中志穂(世界27位)
【混合ダブルス】 タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港、世界99位)〈11-3,11-7,14-12〉垰畑亮太・米元小春(世界172位)