台湾マスターズＧＰ本戦２日目、女子シングルスで日本勢４人がベスト８入りを果たした。中でも予選勝ち上がりの16歳、髙橋明日香選手は、コートの状況を冷静に見極めた上で、シードのインドネシア選手を１回戦同様、最終第５ゲームで振り切って勝ちをつかんだ
髙橋選手は試合後、BadPaL の取材に応じ、最初に入ったのがシャトルが飛ぶ「やりにくいコート」と分かり、逆側の「やり易いコート」に移った第２ゲームと第４ゲームを集中して取れたと説明した。最終の第５ゲームはやりにくいコートからのスタートで、「点差を離されずにチェンジエンドを迎えられればいい」と考えていたことを明かし、4-6とリードされて折り返したのは想定内。「最後は足だけ動かすことを意識。しっかり集中して、ミスを少なくできた」と、逆転勝ちの経緯を淡々と語った
11点制については、スロースターターと自認している分、意識して出だしに集中できているという。また今大会、予選からここまでの勝ち上がりを振り返り、メンタル面の改善によるところが大きいとした
女子シングルスではほかに、ＧＰより１つ上の大会ＧＰゴールドで優勝経験のある峰歩美、川上紗恵奈両選手が順当勝ち。さらに、今年５回目の国際大会自費参戦となる仲井由希乃選手が荒木萌恵選手に競り勝ち、準々決勝に進んだ
仲井選手は BadPaL に対し、「自分のプレー的には11点制は有利。チャンスがある」と語り、「第１、第２ゲームはうまくいった」と評した。ただ、第３ゲーム以降は相手も慣れてきて、「最後は我慢（の勝負）だった」と試合を振り返った。今大会を含めたこれからの抱負を聞くと、「所属企業に出させてもらっている試合でコンスタントに結果を残していきたい」と述べた。なお、仲井選手は続く準々決勝も、髙橋選手との同国対決
対照的に、男子シングルスの勝ち残りは、同国対決を制した堀内研人選手ただ１人となった
五輪代表２人を破って３回戦まで勝ち上がった奈良岡功大選手に３対１で勝利した堀内選手。試合直後、‘奈良岡対策’を尋ねると、「戦略というより、24年間の集大成をぶつけた」と強調。日本期待の中学生の強さを真摯に認め、全力で向かっていったと明かした。第１、第２ゲームを連取し、第３ゲームも9-4と大きくリードして勝利を目前にしながら大逆転を許した場面は、「単調になった自分のプレーに対し、頭を使われた」と９つ年下のＢ代表のプレーを称賛。それでも、続く第４ゲームは切り替えて臨めたという
自費参戦の堀内選手に今大会の目標、意気込みを聞くと、「日本リーグの３強切り崩しに貢献すべく、国際舞台での戦いを通じて多くのものを所属チーム（日立情報通信エンジニアリング）に持ち帰りたい」と話した
日本のダブルス陣はこの日、同国対決に敗れた久後あすみ・横山めぐみ組と、世界ランク上位のマレーシアペアに屈した志田千陽・松山奈未組が姿を消したが、男子２組、女子４組、混合２組は残った
このうち男子ダブルスの島田大輝・竹内義憲組は、「自分たちの攻撃型のプレースタイルが11点制に合っている」と指摘。長身を生かして、サーブレシーブの時、相手にプレッシャーをかけるなどして、最初から勢いに乗って第１ゲームを奪えれば勝機が広がるとの認識を示した。早川賢一・遠藤大由組に続く飛び抜けたペアが不在の現在の日本男子ダブルス陣の中で、上位に食い込んでくることへの期待もある。佐伯祐行・垰畑亮太組と決勝で対戦することも考えられるが、と水を向けると、「（昨年のジャパンオープンで）負けているので、挑戦者のつもりで」と控えめな答え。ただ、「結果も欲しい」と、密かに優勝をうかがう姿勢ものぞかせた
２人で国際大会に出場するのは３回目、という女子ダブルスの櫻本絢子・髙畑祐紀子組は、「いつも出だしが悪いので、アップの時から息を上げるなど心がけている。結果として最初から足がよく動き、集中してできている」と、11点制の試合の手ごたえを語った。準決勝以降は日本ペアとの対戦を予想し、「負けたくない」と意気込んだ
〈本戦２日目〉日本選手の結果
【男子シングルス３回戦】 常山幹太（世界45位）〈8-11,13-11,5-11,11-8,4-11〉スエ・スアンイ（台湾、世界270位）、奈良岡功大（世界202位）〈10-12,8-11,11-9,6-11〉堀内研人（世界763位）、ソウラブ・ヴァルマ（インド、世界81位）〈11-6,11-8,11-6〉丸尾亮太郎（世界327位）
【女子シングルス２回戦】 峰歩美（世界26位）〈11-3,11-6,11-8〉ユー・チエンフイ（台湾、世界113位）、川上紗恵奈（世界81位）〈11-6,11-2,12-10〉リヤニー・アレッサンドラ・マイナキー（インドネシア、世界107位）、荒木萌恵（世界123位）〈9-11,4-11,11-8,11-9,9-11〉仲井由希乃（世界181位）、ディナール・ディヤ・アユスティン（インドネシア、世界53位）〈11-8,4-11,11-6,4-11,8-11〉髙橋明日香（世界516位※予選勝ち上がり）、
【男子ダブルス２回戦】 佐伯祐行・垰畑亮太（世界67位）〈11-2,11-7,11-4〉リアン・ジュイウェイ／チャン・コーチ（台湾、世界105位）、島田大輝・竹内義憲（世界85位）〈13-11,9-11,12-10,11-6〉ヤン・ミンツェ／ポー・リウェイ（台湾、世界118位）
【女子ダブルス２回戦】 福島由紀・廣田彩花（世界17位）〈11-7,11-3,11-7〉ユン・ガティン／ウン・ツーヤウ（香港、世界77位）、米元小春・田中志穂（世界27位）〈13-11,11-4,11-7〉久後あすみ・横山めぐみ（世界149位）、パタイマス・ムエンウォン／チャラッドチャラム・チャヤニット（タイ、世界30位）〈8-11,7-11,7-11〉櫻本絢子・髙畑祐紀子（世界151位）、リー・メンイーン／チョウ・メイクアン（マレーシア、世界59位）〈11-4,11-4,12-10〉志田千陽・松山奈未（世界826位）、ウォン・クリスタル・ジアイン／ジン・ユージア（シンガポール、世界144位）〈11-6,5-11,5-11,10-12〉前田美順・小野菜保（世界ランクなし）
【混合ダブルス２回戦】 垰畑亮太・米元小春（世界170位）〈9-11,11-5,12-10,11-3〉マク・ヒーチュン／ユン・ガティン（香港、世界ランクなし）、チャン・コーチ／チャン・シンティエン（台湾、世界ランクなし）〈2-11,11-13,5-11〉竹内義憲・櫻本絢子（世界ランクなし）
準々決勝の対戦カード（※これ以降、13日更新の世界ランクを反映）
【男子シングルス】
スー・ジェンハオ（台湾、世界22位）対タン・チュンシーン（マレーシア、世界163位）
ソウラブ・ヴァルマ（インド、世界82位）対堀内研人（世界773位）
リン・ユーシエン（台湾、世界64位）対スエ・スアンイ（台湾、世界192位）
ダレン・リュー（マレーシア、世界106位）対シェサル・ヒレン・ルスタヴィト（インドネシア、世界226位）
【女子シングルス】
仲井由希乃（世界182位）対髙橋明日香（世界528位※予選勝ち上がり）
ハナ・ラマディニ（インドネシア、世界51位）対川上紗恵奈（世界81位）
峰歩美（世界26位）対リー・チアシン（台湾、世界69位）
ティー・ジンイ（マレーシア、世界29位）対ポーンパウィー・チョチュウォン（タイ、世界56位）
【男子ダブルス】
ワン・チリン／チェン・フンリン（台湾、世界17位）対ダニー・バワ・クリスナンタ／ヘンドラ・ウィジャヤ（シンガポール、世界65位）
佐伯祐行・垰畑亮太（世界68位）対ユン・シンチョイ／マク・ヒーチュン（香港、世界ランクなし※予選繰り上がり）
ムハンマド・リアン・アルディアント／ファジャル・アルフィアン（インドネシア、世界41位）対島田大輝・竹内義憲（世界85位）
ルー・チアピン／リャオ・クアンハオ（台湾、世界56位）対ヒー・テリー・ヨンカイ／ロー・キーンヒーン（シンガポール、世界61位）
【女子ダブルス】
福島由紀・廣田彩花（世界18位）対前田美順・小野菜保（世界ランクなし）
リー・メンイーン／チョウ・メイクアン（マレーシア、世界48位）対櫻本絢子・髙畑祐紀子（世界153位）
米元小春・田中志穂（世界27位）対メリサ・シンディ・サプトリ／ニサク・プジ・レスタリ（インドネシア、世界86位）
ツェ・インシュー／プーン・ロクヤン（香港、世界34位）対ヤップ・チェンウェン／リム・インルー（マレーシア、世界364位）
【混合ダブルス】
ヒー・テリー・ヨンカイ／タン・ウェイハン（シンガポール、世界27位）対リッキー・ウィディアント／グロリア・エマヌエル・ウィジャジャ（インドネシア、世界110位）
タン・チュンマン／ツェ・インシュー（香港、世界99位）対竹内義憲・櫻本絢子（世界ランクなし）
リン・チアユー／ウー・ティジュン（台湾、世界81位）対ダニー・バワ・クリスナンタ／プトリ・サリ・デウィ・シトラ（シンガポール、世界191位）
垰畑亮太・米元小春（世界172位）対ワン・チリン／チェン・チヤ（台湾、世界316位）
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