
韓国オープンSS準決勝、女子シングルスの山口茜選手が、ジャパンオープンに次ぐ2週連続のSS決勝進出を狙ったが、わずかに届かず。男子シングルスの桃田賢斗選手は世界ランク1位の中国チェン・ロン選手に4たび跳ね返され、シンガポールオープン、インドネシアオープンに続く今シーズン3度目のSSタイトル挑戦の機会を逃した
山口選手はジャパンオープン初戦、4度目の対戦で初勝利を挙げた韓国のエース、ソン・ジヒョン選手と再戦した。第1ゲームをソン選手、第2ゲームを山口選手が取り合い迎えたファイナルゲーム、ソン選手に先行されながら中盤、長いラリーを制するなどして逆転に成功。16-14として流れを引き寄せたかに見えた。しかし次のラリーでスパーレシーブを見せた後、チャンス球を決めに行ったスマッシュをアウトにしてしまってからショットの精度がぶれ、失点を重ねてしまう。最後も山口選手が放ったロブがアウトとなり18-21で敗退。ソン選手にジャパンオープンのリベンジを許す結果となった
山口選手は試合後、BadPaL に対し、この試合の最大の反省点として、「勝ち急いだ。ファイナルゲームで点差をつけた時点で、いけると思って決めにいきミスしてしまった」ことを挙げた。勝利したジャパンオープンでの対戦時との違いを聞くと、「日本ではホームの感じが強かった。ただこちら(韓国)でもアウェー感はそんなになかった」と述べた。その上で、次回対戦時の再リベンジに強い意欲を見せた

桃田選手と世界ランク1位、中国チェン・ロン選手の4度目の対戦は、チェン選手のプレーの完成度の高さが強調される試合となった
桃田選手はかねて、現時点におけるチェン選手との実力差を認めている。今回もそのことを踏まえた上で、準々決勝に勝利した後、前回の世界選手権での対戦時より食らいついていく、という強い意気込みを示していた。しかし試合が始まると世界チャンピオンのチェン選手が、桃田選手のあらゆる試み、さらに決めにいった得意とするベストショットにまで見事に対応。次第に攻め手を失っていく桃田選手を前に、力の差を見せつけるかのように完勝した
桃田選手は BadPaL の取材に応じ、世界選手権と同様、9点に抑えこまれたオープニングゲームについて、「仕掛けていきたかったが、打たされている感じ。次第にスピードを止められて何もできなくなった」と認めた。第2ゲーム中盤、連続得点で追い上げを見せた場面に関しても、「決めにいったショットがいいところにいきたまたま相手がミスしただけ。自分が奪い取ったという実感はない」と述べた。前回対戦時に比べ得られたものがあるか、の問いには、「実力差はまだまだ。むしろ、やるごとに相手が自信をつけていっている感じ。打開策は見つからない」と率直に答え、試合直後ということもあり、突き付けられた厳しい現実を前にとまどいを隠せなかった
準決勝の結果
【男子シングルス】
チェン・ロン(中国、世界1位)〈21-9,21-13〉桃田賢斗(世界4位)
チョウ・ティエンチェン(台湾、世界7位)〈19-21,15-21〉アジャイ・ジャヤラム(インド、世界32位)
【女子シングルス】
ソン・ジヒョン(韓国、世界8位)〈21-15,15-21,21-18〉山口茜(世界10位)
ワン・シーシャン(中国、世界5位)〈12-21,19-21〉ワン・イーハン(中国、世界7位)
【男子ダブルス】
イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、世界1位)〈23-25,22-20,21-17〉マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界4位)
フー・ハイファン/ツァン・ナン(中国、世界3位)〈21-12,18-21,17-21〉キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界14位)
【女子ダブルス】
チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界115位)〈21-14,21-13〉チョン・ギョンウン/シン・スンチャン(韓国、世界177位)
ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界2位)〈18-21,21-17,13-21〉グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界5位)
【混合ダブルス】
ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)〈21-15,12-21,21-10〉コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界7位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界2位)〈21-9,21-15〉クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界6位)
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決勝の対戦カード
【男子シングルス】 チェン・ロン(中国、世界1位)対アジャイ・ジャヤラム(インド、世界32位)
【女子シングルス】 ワン・イーハン(中国、世界7位)対ソン・ジヒョン(韓国、世界8位)
【男子ダブルス】 イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、世界1位)対キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界14位)
【女子ダブルス】 グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界5位)対チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界115位)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)対タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界2位)