Yui and two pairs of Japan beat seaded players in first round

Yui HASHIMOTO
Yui HASHIMOTO

オーストラリアンオープンSS1回戦、日本勢はシングルス6人、ダブルス7組が初戦を突破した。とりわけ女子シングルスの橋本由衣選手、男子ダブルスの平田典靖・橋本博且組、女子ダブルスの松尾静香・内藤真実組は、シード選手を倒して勝ち上がった

橋本選手の相手は、2013年世界選手権を制した今大会第6シード、タイのラッチャノク・インタノン選手。これまで2戦2敗ながら、ともに第1ゲームは取っていた。この日も第1ゲームを奪うが、第2ゲームに入ると反撃に遭い、中盤5-12と7点差をつけられる。それでも「ファイナルゲームまでいくとやられると思っていたので、2ゲームで勝負をつけたかった」と試合後、明かした通り、あきらめずにここから追い上げ15-15で追いつく。そのまま18-18までいくが、相手のバック側の奥をつくシャトルコントロールがピタリと決まり、21-18で勝利した

橋本選手は BadPaL に対し、「自信があったわけではないが、シード選手を倒していかなければ上にはいけないので向かっていくだけだった」と語った。昨年ベスト4入りを果たしたげんのいいこの大会で、五輪レースを白星スタートさせたが、「現在日本の中で6番手だが、ナショナルチームにいる限り上がっていくチャンスはある。五輪には出たい。これから出場する大会すべて、ラストチャンスという気持ちで向かっていく」と意気込みを語った

HASHIMOTO-HIRATA
Hirokatsu HASHIMOTO / Noriyasu HIRATA

平田・橋本組は、過去2勝3敗と負け越している第8シードの韓国キム・サラン/キム・ギジョン組と対戦した。第1ゲームは序盤からリードされるが、後半追い上げ、13-15から連続得点で逆転に成功すると、その流れのまま振り切った。第2ゲームに入ると平田・橋本組が主導権を掌握。7-7でいったん追いつかれるが、とりわけ平田選手の前衛での読みと動きが冴え、一気に引き離して、21-10と快勝した

平田選手は試合後、BadPaL に対し、「今日からレース。気合を入れて臨んだ。シード選手に勝てて良かった」と述べ、五輪レース最初のSSであるこの大会に照準を合わせて準備してきたことを説明した。橋本選手は、「出だしはかたかったが、試合が進むごとに周りがよく見えるようになってきた」と、試合の手ごたえを語った

Mami-Shizuka
Mami NAITO / Shizuka MATSUO

松尾・内藤組にとってこの日は、第7シードの韓国シン・スンチャン/イ・ソヒ組が相手であることより、大きな不安があった。内藤選手が試合後、BadPaL に明かしたところによると、4月辺りから腰の調子が悪く、一時は歩けないほどだったという。そのため第1シードに入っていた4月の大阪インターナショナルチャレンジを棄権。出場資格を取得していたアジア選手権には出場したものの、3回戦の中国ルオ姉妹との試合で途中棄権を選択した。ただこの時は、五輪レース初戦のオーストラリアオープン出場を見据えた「前向きな棄権だった」という

とはいえ、2人は今大会に臨むに当たり、準備万端と呼ぶには程遠い状態。練習はほとんど別々で、ペアとしては「直前で合わせただけ」。それでも松尾選手は「不安はなかった」と言い切る。かつての「守備型」からペア再結成後に取り組んできた「攻撃型」への移行は完成したわけではない。それでも、試合の中で臨機応変にそれぞれの形を出していくことでやれると考えているという

初戦を突破した後、あらためて2回目の挑戦となる五輪レースに向けた意気込みを聞くと、「周りは気になるが、下位から挑む今回は、自分たちの持っているものを出し切れるように1年間戦っていきたい」と笑顔で語った

このほかの主な日本選手のコメントは以下の通り

Kento
Kento MOMOTA

桃田賢斗選手 : 足の状態は良くなっている。ただこの時期、治すことに専念していたのでフィジカルの面で不安もある。スディルマン杯から個人戦への気持ちの切り替えはしっかりできたと思う。1回戦は、第1ゲーム大きくリードしていながら、相手につけいるすきを与えてしまったのが反省点。五輪レースというより、ようやく得たシードをしっかり守っていく。ここからは、SSでコンスタントにベスト4に入れるような選手になりたい

Takuma
Takuma UEDA

上田拓馬選手 : 第1ゲームを簡単に取った後、第2ゲームは競る展開になるのは分かっていたが苦しく、(20-20で)追いついても決め切れなかった。それでも気持ちを切り替えてファイナルゲームに臨めたことは良かった。五輪レースについては、オーストラリアンオープンを含めこれから出場するすべての大会が、今年で最後のつもりで戦っていく。意地でも世界ランク16位内に食い込む

Akane
Akane YAMAGUCHI

山口茜選手 : ミスをしたくないと、相手に合わせていた部分がある。2ゲームで決めたかったが、どこかで自分から仕掛ける展開に切り替えないと。(スディルマン杯決勝での敗戦について)団体戦なので次 につなげられなかったという気持ちが強い。個人的には、リ・シュエリ選手に同じような内容で負けているので、打開策を見つけたい。五輪レースに気負いなし。現在の世界11位はランキングが先行していて、なんで私が、という感じ。ランキングポイントも気にしていない

Sayaka
Sayaka TAKAHASHI

高橋沙也加選手 : 体育館に慣れず出だしは良くなかったが、五輪レースで競るのは当たり前。第2ゲームはシャトルが飛ばず打っても決まらないので、無理して打たずに相手のミスを誘うプレーができた。試合を通じて成長でき、いい形で1回戦を終えた。五輪レースを迎えるに当たり、A代表の活躍に最初は焦りもあったが、焦っても仕方がないので、五輪に出たいという気持ちを大切に、彼らの活躍を刺激にしてA代表復帰を目指す。同時にレースを悔いなく終えたい。B代表は出場できる大会が限られる。そのため、今回のSSに限らず、出場する大会1つ1つを大事にする気持ちは強い

Minatsu
Minatsu MITANI

三谷美菜津選手 : 動きに関しては少しずつ良くなってきて自信が持ててきている。ただ、勝つことへの自信はまだ。4月のシンガポールオープンSSまでは練習不足などから不安しかなかったが、スディルマン杯のメンバーから外れ、約1カ月間みっちり練習でき、不安が解消されてきた。五輪レースがスタートし、奥原選手や山口選手など日本のライバルのことも考えてしまうが、悔いなく戦い抜きたい。2回戦で対戦する中国リ・シュエリ選手にはまだ勝てていないが、チャンスはあると思うので勝ちにいきたい

ENDO-HAYAKAWA
Hiroyuk ENDO / Kenichi HAYAKAWA

早川賢一・遠藤大由組 : スディルマン杯でやらかしてしまったことを出さない、という気持ちで試合に臨んだ。動きはいまいちだったが、追いつかれても「大丈夫」と思えたことが良かった。(スディルマン杯での失敗をどう消化したか)準決勝の韓国戦で、自分たちに代わって初めて出場した平田典靖・橋本博且組や、奥原希望選手が格上を相手に堂々と試合をしているのをベンチで見ていて、どうして自分たちは勝手に縮こまってプレーしていたのか、とあらためて認識させられた。改善点として、試合の要所要所で、これまでそれぞれが内に抱え込んでしまいがちだった言葉を、声に出して互いに掛け合うようにした。五輪レースは緊張してしまうもの。その緊張の中で、今後1年を戦っていかないといけない

KAZUNO-YAMADA
Kenta KAZUNO / Kazushi YAMADA

数野健太・山田和司組 : まだスディルマン杯でプレーした混合ダブルスの感覚が抜けていない(数野)。B代表のため、出場できる大会が限られるが、ここまできたらやるしかないんで。もちろん五輪出場はあきらめていない

Ayaka-Misaki
Ayaka TAKAHASHI / Misaki MATSUTOMO

高橋礼華・松友美佐紀組 : 以前、五輪レースが始まるのが怖い、と話した。前夜は眠れないのではないかと思ったが、そんなこともなく、意識せずにこられている。いつもよりいい気持ちで試合に入れた

Miyuki-Reika
Miyuki MAEDA / Reika KAKIIWA

前田美順・垣岩令佳組 : 3月の全英オープンSSプレミア初戦で対戦した相手で、作戦を立てて臨んだ。第2ゲームはいい形で、打ちながら前に出るプレーが多くできた。意識してやっている。サイドバイサイドにとどまってしまうことが多く、いくら攻撃力があっても使えない。トップアンドバックに持っていくことで色々な攻撃の形が生まれる。スディルマン杯はメンバーでなく悔しい思いもしたが、今大会に向けた準備はしっかりできた。「この大会から五輪レース」ということを意識すると力んでしまう。今大会ではまずベスト8を目標に。その後はいけるところまでいきたい

Keigo-Naoko
Keigo SONODA / Naoko FUKUMAN

園田啓悟・福万尚子組 : (前日の予選2試合に続き、1回戦も勝利した後、どのペアとやってみたいか)次に当たるインドネシアのタントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル組。4月にマレーシアオープンSSプレミアで対戦した時、第1ゲームは相手のすきをついていい勝負ができた。大事な場面でミスをしなければいい勝負ができると思う

TAGO
Kenichi TAGO

田児賢一選手 : 食らいついていったが今回はうまくいかなかった。このレベルでは、すべてがそろわないと勝つのは難しい。今回の五輪レースは前回よりガツガツいっていないのは事実。自分と対話しながら進めていく。マレーシアのリー・チョンウェイ選手の復帰はうれしかった。ただ、今やってもいい試合ができない。やるならもっと自分を高めてから

奥原希望選手 : 直前合宿で足を痛めてしまい自分が思うように動けない中、試合序盤に相手が負傷したことで、余計なことを考えてしまい試合に集中していなかった

一方、日本選手以外ではこの日、男子シングルス第2シード中国リン・ダン選手、男子ダブルス第2シード、インドネシアのヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン組が初戦で敗れる波乱があった

日本選手1回戦の結果

【男子シングルス】 桃田賢斗(世界8位)〈23-21,21-17〉ウェイ・ナン(香港、世界21位) フ・ユン(香港、世界12位)〈21-11,21-18〉佐々木翔(世界17位) 田児賢一(世界18位)〈11-21,14-21〉ラジフ・オプセフ(イングランド、世界29位) スー・ジェンハオ(台湾、世界24位)〈11-21,22-20,17-21〉上田拓馬(世界25位) シュエ・ソン(中国、世界23位)〈21-13,21-15〉西本拳太(世界165位※予選勝ち上がり)

【女子シングルス】 奥原希望(世界10位)〈17-21,19-21〉ミッシェル・リ(カナダ、世界16位) 山口茜(世界11位)〈21-11,24-26,21-14〉イップ・プイイン(香港、世界22位) 高橋沙也加(世界15位)〈21-19,21-7〉キム・ヒョンミン(韓国、世界35位) 三谷美菜津(世界17位)〈21-8,21-11〉ティー・ジンイ(マレーシア、世界58位) ソン・ジヒョン(韓国、世界7位)〈21-10,9-21,21-14〉佐藤冴香(世界25位) ラッチャノク・インタノン(タイ、世界6位)〈15-21,18-21〉橋本由衣(世界32位) スン・ユ(中国、世界9位)〈21-12,21-6〉今別府香里(世界33位)

【男子ダブルス】 早川賢一・遠藤大由(世界6位)〈21-19,21-18〉ウラジミール・イワノフ/イワン・ソゾノフ(ロシア、世界12位) キム・サラン/キム・ギジョン(韓国、世界10位)〈17-21,10-21〉平田典靖・橋本博且(世界13位) 園田啓悟・嘉村健士(世界15位)〈16-21,22-20,10-21〉クー・ケンケット/タン・ブンヒョン(マレーシア、世界214位※予選勝ち上がり) 数野健太・山田和司(世界20位)〈21-10,21-14〉サワン・セラシン/マシュー・チョウ(オーストラリア、世界85位) 金子祐樹・井上拓斗(世界37位)〈15-21,19-21〉ルー・カイ/リュウ・チェン(中国)

【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-8,21-10〉ピア・ゼバディア・ベルナデス/リズキ・アメリア・プラディプタ(インドネシア、世界14位) 前田美順・垣岩令佳(世界6位)〈21-13,21-17〉ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(マレーシア、世界11位) シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国、世界8位)〈16-21,17-21〉松尾静香・内藤真実(世界15位) グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界7位)〈21-10,21-14〉福万尚子・與猶くるみ(世界32位)

【混合ダブルス】 コ・ソンヒョン/キム・ハナ(韓国、世界8位)〈21-14,21-9〉早川賢一・松友美佐紀(世界20位) フィリップ・チュウ/ジェイミー・スバンディ(アメリカ、世界24位)〈9-21,20-22〉園田啓悟・福万尚子(世界137位※予選勝ち上がり)

日本選手2回戦の対戦カード

【男子シングルス】

桃田賢斗(世界8位)対ウォン・ウィンキ(香港、世界26位)

上田拓馬(世界25位)対ブーンサック・ポンサナ(タイ、世界30位※予選勝ち上がり)

【女子シングルス】

ソン・ジヒョン(韓国、世界7位)対山口茜(世界11位)

ワン・イーハン(中国、世界8位)対高橋沙也加(世界15位)

リ・シュエリ(中国、世界2位)対三谷美菜津(世界17位)

ミッシェル・リ(カナダ、世界16位)対橋本由衣(世界32位)

【男子ダブルス】

早川賢一・遠藤大由(世界6位)対ゴー・ウェイシェム/タン・ウィーキョン(マレーシア、世界19位)

平田典靖・橋本博且(世界13位)対ルー・カイ/リュウ・チェン(中国)

ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界5位)対数野健太・山田和司(世界20位)

【女子ダブルス】

高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対バージット・ミシェルズ/イザベル・ハートリッヒ(ドイツ、世界41位)

前田美順・垣岩令佳(世界6位)対クンチャラ・ウォラビチッチャイクン/ドゥアンアノン・アルンゲーソン(タイ、世界26位)

松尾静香・内藤真実(世界15位)対サプシリー・タエラナッチャイ/プティッタ・スパジラクン(タイ、世界17位)

【混合ダブルス】

タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)対園田啓悟・福万尚子(世界137位※予選勝ち上がり)

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