
アジア選手権準々決勝、混合ダブルスの早川賢一・松友美佐紀組が、対戦予定だった世界ランク1位中国ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ組の棄権により今大会3つ目の不戦勝となり、何もせずに、昨年6月のジャパンオープンSS以来となる準決勝に進んだ
世界27位の日本ペアはこの時点で、SSと同格に位置づけられるこの大会で1つ下位のグランプリ(GP)ゴールド優勝(7,000ポイント)に迫る6,420ポイントを手にした。ツァン・ナン選手は前日、男子ダブルスも棄権している
日本勢ではほかに女子ダブルス世界1位の高橋礼華・松友組が、前日、元世界1位の中国ペアの棄権で戦わずして準々決勝に進んだ世界9位の韓国ペアを寄せ付けず、順当にベスト4入りした
一方、高橋・松友組とともに上位進出が期待された男子ダブルス世界6位の早川・遠藤大由組は2週間前、シンガポールオープンSSでストレート勝ちした韓国キム・サラン/キム・ギジョン組にリベンジを許し、ベスト8どまりとなった。同じ男子ダブルスでは、園田啓悟・嘉村健士組が、ロンドン五輪金メダリストの35歳カイ・ユン選手が22歳のルー・カイ選手と組むSS優勝経験のある中国ペアからファイナルゲーム、20-19、21-20と先に2度マッチポイントをつかむが、決め切れずに逆転で敗れた
男子シングルスでは、昨年の決勝の再現となった佐々木翔選手(1982年6月生まれ)と中国リン・ダン選手(83年10月生まれ)のベテラン対決に注目が集まった。ただこの日は、リン・ダン選手が終始試合をコントロール。佐々木選手は第1ゲームで2度追いつくのが精一杯で、ストレート負け。通算対戦成績は佐々木選手の1勝12敗となった。この種目は結局、リン・ダン選手をはじめ中国勢4人が勝って、準決勝の4枠を独占した
日本勢もうひと組、女子ダブルスの松尾静香・内藤真実組は、今月マレーシアオープンSSプレミアで優勝した世界3位の中国ルオ姉妹を序盤からリードする。しかし後半15点で追いつかれ、すぐに逆転を許して19-21で第1ゲームを落とすと、直後に試合を棄権した。B代表の松尾・内藤組は、今月初めの大阪インターナショナルチャレンジで第1シードに入りながら出場をとりやめており、何らかの体の故障を抱えているとも考えられる
25日の準決勝では、女子ダブルスで前々週のシンガポールオープン準決勝と同じく、現世界1位の高橋・松友組と、元世界1位の中国ユー・ヤン/ワン・シャオリ組が激突する。2試合続けては負けられない中国の実力者ペアに対し、日本のトップペアが受けに回らず、再び勝ちを意識して向かっていけるかどうかが勝敗のカギを握る。混合ダブルスでは早川・松友組が、対戦成績互角の香港ペアを相手に、SSクラスの大会で初の決勝進出を狙う
日本選手以外では、今大会好調の女子シングルスの2人、台湾タイ・ツーイン選手(94年6月生まれ)とタイのラッチャノク・インタノン選手(95年2月生まれ)による20歳対決が注目される。来月から始まる五輪レースの期間中、おない年の奥原希望選手をはじめとする日本女子シングルス陣の前に立ちふさがり続ける相手だ
準々決勝の結果
【男子シングルス】
チェン・ロン(中国、第1シード)〈21-10,21-11〉チョウ・ティエンチェン(台湾、第5シード)
ティエン・ホウウェイ(中国)〈21-18,21-9〉チョン・ウェイフェン(マレーシア)
ソン・ワンホ(韓国、第4シード)〈14-21,19-21〉ワン・ツェンミン(中国、第7シード)
リン・ダン(中国、第2シード)〈21-17,21-13〉佐々木翔(第8シード)
【女子シングルス】
リ・シュエリ(中国、第1シード)〈11-21,21-19,21-8〉プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、第8シード)
ソン・ジヒョン(韓国、第4シード)〈18-21,15-21〉ワン・イーハン(中国、第6シード)
ラッチャノク・インタノン(タイ、第7シード)〈21-13,21-9〉ベ・ヨンジュ(韓国)
サイナ・ネワル(インド、第2シード)〈21-16,13-21,18-21〉タイ・ツーイン(台湾、第5シード)
【男子ダブルス】
イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、第1シード)〈21-10,21-14〉ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、第7シード)
早川賢一・遠藤大由(第4シード)〈16-21,15-21〉キム・サラン/キム・ギジョン(韓国)
チュウ・ツィハン/リュウ・シャオロン(中国、第3シード)〈18-21,21-11,22-24〉ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第6シード)
園田啓悟・嘉村健士〈13-21,21-17,21-23〉カイ・ユン/ルー・カイ(中国)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(第1シード)〈21-14,21-12〉シン・スンチャン/イ・ソヒ(韓国)
ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、第4シード)〈21-8,21-8〉サプシリー・タエラッタナチャイ/プティッタ・スパジラクン(タイ)
ウーン・ケーウェイ/フー・ビビアン・カームン(マレーシア)〈11-21,15-21〉マー・ジ ン/タン・ユエンティン(中国)
ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、第2シード)〈21-19棄権〉松尾静香・内藤真実
【混合ダブルス】
ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、第1シード)〈棄権〉早川賢一・松友美佐紀
プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア)〈21-14,15-21,20-22〉リー・チュンヘイ/チャウ・ホイワー(香港)
シュー・チェン/マー・ジン(中国、第3シード)〈21-15,21-19〉シン・ベクチョル/チャン・イエナ(韓国)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、第2シード)〈21-19,21-11〉ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国)
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準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
チェン・ロン(中国、第1シード)対ティエン・ホウウェイ(中国)
リン・ダン(中国、第2シード)対ワン・ツェンミン(中国、第7シード)
【女子シングルス】
リ・シュエリ(中国、第1シード)対ワン・イーハン(中国、第6シード)
タイ・ツーイン(台湾、第5シード)対ラッチャノク・インタノン(タイ、第7シード)
【男子ダブルス】
イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国、第1シード)対キム・サラン/キム・ギジョン(韓国)
ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、第6シード)対カイ・ユン/ルー・カイ(中国)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(第1シード)対ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、第4シード)
ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、第2シード)対マー・ジン/タン・ユエンティン(中国)
【混合ダブルス】
リー・チュンヘイ/チャウ・ホイワー(香港)対早川賢一・松友美佐紀
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、第2シード)対シュー・チェン/マー・ジン(中国、第3シード)