From the Courtside

昨年から今年にかけて取材した国際大会の会場内で見かけた、日本にはなかなか伝えられない事がらの一端を紹介する

Ball Changer

【羽球交換】 李寧(Li-Ning)が昨年12月のスーパーシリーズ(SS)ファイナルで導入したのが、「ボール・チェンジャー(Ball Changer)」。その名の通り、選手にシャトル交換を求められた際、副審が操作するもので、ふたを外したシャトルの筒内を底から自動的に押し上げ、次のシャトルを取り出しやすくする。1ダース入りの筒を3本同時にセットできる。李寧は2010年のシンガポールオープンSSでは、ノックなどの練習時に使用する自動球出し機「シャトルランチャー(Shuttle Launcher)」を、試合会場に併設された特別スペースで一般向けに公開した〈https://badpal.wordpress.com/2010/07/04/shuttle-launcher/〉

【選手入場】 会場の照明や試合前後のアトラクションなど、大会ごとの特色を出そうと、運営サイドがさまざま趣向を凝らす傾向が広まっている。とりわけロンドン五輪と同じ会場ウェンブリーで開催された世界選手権(昨年8月)と、マカオオープングランプリ(GP)ゴールド(同11月)の決勝戦では、それぞれ「2階建てバス」と「リキシャ」を使ったローカル色の強い、これまでにないユニークな「選手入場」を演出し、会場内を大いに盛り上げた

‘Double Decker’ in Wembley
‘Rickshaw’ in Macau
Backstage personnel, Mr.Iizuka & Ms.Hirano

【情報収集】 国立スポーツ科学センター(JISS)が進めるロンドン五輪に向けたバドミントン競技への支援活動の一環として、飯塚太郎・研究員と平野加奈子氏が中心となり、主要な国際大会で映像サポートを行っている。日本ならびに外国選手の試合の映像データを集めて分析し、各選手が戦略を立てる際に役立ててもらう取り組みだ。会場内では試合の撮影が主な仕事だが、これが想像以上に大変。選手やコーチよりも先に会場入りし、彼らがその日の試合を終えてホテルに向かった後も最後まで会場に残る。中でも試合数の多い1、2回戦は、朝早くから深夜まで会場内にはりついていなければならず、トーナメントの早い段階で日本選手がすべて敗退し帰国した場合、最終日まで1人現地に残ることもある。日本選手の海外での活躍の裏には、表には見えてこないこうした人たちの支えがある

【海外報道】 最近とみに国際大会で上位進出を果たすケースが増えてきた日本選手だが、英語と中国語が中心の海外メディアとの間には依然としてコミュニケーションの障壁があり、たとえニーズがあっても、なかなか取り上げてもらえないのが現実だ。ただ、潮田玲子選手は別で、とりわけ中華圏のメディアに高い人気があり、大会期間中、地元紙に大きく掲載されることも少なくない

Qingdao, China
Hong Kong

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