
ユース五輪・ブエノスアイレス大会、バドミントン競技最終日は、決勝と3位決定戦が行われた。男子シングルスは中国リ・シーフォンが優勝。奈良岡功大は準決勝の敗戦から気持ちを切り替え、接戦を制し銅メダルを手にした
この日、最初に行われた奈良岡とフランスのアルノー・シルヴァン・アンドレ・メルクルの試合は、第1ゲームを先取した奈良岡が第2ゲーム終盤、15-19から追いつき、勝機を呼び寄せたかに見えた。しかし、ヨーロッパジュニアチャンピオンに2度のマッチポイントを凌がれ24-26で落とす
ファイナルゲームは前半を11-10で折り返し、後半、再び流れをつかんで19-15とリードを広げるが、追いつかれて20-20。心身ともに折れそうになる状況に追い込まれる。それでも、日本の17歳はメンタル面の成長の一端をのぞかせ、最後まで攻め切り、銅メダルをつかみ取った
ユース五輪バドミントン競技(シングルス)での日本勢のメダル獲得は、前回2014年、山口茜の銀メダルに続くもの(※常山幹太は前回、台湾選手との混合ダブルスで銀メダル)
決勝は、準決勝で奈良岡を破ったアジアジュニア選手権覇者、インドのラクシャ・センが、対戦成績(2勝0敗)からも優位とみられた。しかしいざふたを開けてみると、世界ジュニア、アジアジュニアではメダルのない中国リ・シーフォンのストレート勝ち。大舞台に強い中国勢が、2014年南京大会のシー・ユーチに次いでこの種目、2大会連続で金メダルを奪った
一方、2010年シンガポール大会のプラノイ・ハシーナ・スニルクマールに続くインド勢2人目の銀メダリストとなったセンは試合後、前日の奈良岡との長い一戦の影響でスピードが上げられなかったと認めた
女子シングルスも、中国ワン・ジューイが、前回、決勝で山口茜を破ったホー・ビンジャオと同じ第2シードから「4年に1度」の頂点まであと一歩に迫ったが、逆転負け。マレーシアのゴー・ジンウェイが史上初めて、山口茜も成し遂げられなかった世界ジュニア選手権とユース五輪の2冠を達成した
銅メダルは、金銀メダリストよりひとつ年下、タイの17歳ピッタヤポーン・チャイワンが手にした。タイ勢はこの種目、◆2010年金メダルのサプシリー・テラッタナチャイ◆14年銅メダルのブサナン・ウンバンルンパン――に次いで、3大会連続のメダル獲得
◆決勝の結果
【男子シングルス】ラクシャ・セン(インド、第4シード)<15-21,19-21>リ・シーフォン(中国、第5シード)
【女子シングルス】ワン・ジューイ(中国、第2シード)<21-16,13-21,19-21>ゴー・ジンウェイ(マレーシア、第3シード)
◆3位決定戦の結果
【男子シングルス】奈良岡功大(第2シード)<21-17,24-26,22-20>アルノー・シルヴァン・アンドレ・メルクル(フランス、第7シード)
【女子シングルス】ピッタヤポーン・チャイワン(タイ、第1シード)<21-9,21-13>ユエヤン・ジャスリン・フーイ(シンガポール)
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各種目のメダリスト
【男子シングルス】
金メダル: リ・シーフォン(中国、第5シード)
銀メダル: ラクシャ・セン(インド、第4シード)
銅メダル:奈良岡功大(日本、第2シード)
【女子シングルス】
金メダル: ゴー・ジンウェイ(マレーシア、第3シード)
銀メダル: ワン・ジューイ(中国、第2シード)
銅メダル: ピッタヤポーン・チャイワン(タイ、第1シード)
一方、大会期間中、男女シングルスと並行して進められてきた、ユース五輪で初めて採用された新種目「リレー形式の団体戦」もこの日、決勝と3位決定戦が行われ、奈良岡と水井ひらりの入ったチーム「シータ」は銅メダルとなった
優勝は、男子シングルス銀メダルのラクシャ・セン(インド)ら男子4人と女子シングルス・ベスト8のジェニー・ガイ(アメリカ)ら女子4人で構成されるチーム「アルファ」。準優勝は、男子シングルス第1シードのクンラウット・ウィティサン(タイ)、女子シングルス・ベスト8のホワン・インシュアン(台湾)を含むチーム「オメガ」
【リレー形式団体戦】
金メダル:チーム「アルファ」(ラクシャ・セン、ジェニー・ガイ等)
銀メダル:チーム「オメガ」(クンラウット・ウィティサン、ホワン・インシュアン等)
銅メダル:チーム「シータ」(奈良岡功大、水井ひらり等)
※4位:「ゼータ」、5~8位:「ガンマ」「デルタ」「イプシロン」「シグマ」(順不同)