フレンチオープンスーパーシリーズ（ＳＳ）は24日、パリで開幕。27日までに各種目のベスト４が出揃い、日本選手は、西本拳太、山口茜、永原和可那・松本麻佑が勝ち残った。中でも、予選から出場の西本選手は、ＳＳ優勝45回（ファイナル含む）を誇るリー・チョンウェイ選手を含む、今シーズンのＳＳタイトルホルダー３人を連破。躍進を遂げている
今大会、男子シングルスは、世界選手権金メダルのビクター・アクセルセン選手（世界１位）と銀メダルのリン・ダン選手（世界３位）が出場せず。１回戦でソン・ワンホ選手（世界２位）、チョウ・ティエンチェン選手（世界７位）、リー・チョンウェイ選手（世界８位）、２回戦でチェン・ロン選手（世界５位）が次々に敗れる大荒れの展開に。そんな中、予選勝ち上がりの西本選手（世界40位）が気を吐いた
１回戦の相手は、３月の全英オープンを制したチョンウェイ選手。４月アジア選手権と５月スディルマン杯で対戦し、いずれもストレートで敗れていた。しかし、３度目の顔合わせとなった今回、21-14,21-15のストレート勝ちで初白星を挙げた
今月21日、35歳になったチョンウェイ選手からこれまでに勝ち星を挙げた歴代の日本代表選手は、山田英孝（41、2002年韓国オープン）と田児賢一（28、13年フレンチオープン、14年インドネシアオープン）。それ以外は、◆舛田圭太（38、２敗）◆中西洋介（38、１敗）◆佐藤翔治（35、２敗）◆佐々木翔（35、６敗）◆佐伯浩一（34、１敗）◆山田和司（30、１敗）◆上田拓馬（28、３敗）◆坂井一将（27、４敗）◆桃田賢斗（23、１敗）◆五十嵐優（22、１敗）――といずれも勝てていない（※世界バドミントン連盟データベースに基づく）
さらに、２回戦のサイ・プラニース・バミディパティ選手（インド）、準々決勝のアンソニー・シンスカ・ギンティン選手（インドネシア）はそれぞれ、４月シンガポールオープンと９月韓国オープンでＳＳ初優勝を遂げた上り調子の相手だが、西本選手は、チョンウェイ選手を破った後も立ち止まらず、今シーズン、ＳＳでの優勝実績のある３人を続けて倒し、ベスト４に食い込んだ
女子シングルスは、２回戦でリオデジャネイロ五輪金メダルのカロリナ・マリン選手（世界４位）が韓国の伏兵、イ・チャンミ選手に不覚を取り姿を消したが、そのほかの上位陣は揃ってベスト８まで勝ち上がった。日本勢で唯一残った山口選手（世界５位）は、ソン・ジヒョン選手（世界３位）との準々決勝、ファイナルゲーム18-20と２つのマッチポイントを握られながら、逆転勝ちを収め、しっかり準決勝４枠の１角を占めた
女子ダブルス準々決勝には、日本から高橋礼華・松友美佐紀組（世界２位）、米元小春・田中志穂組（世界６位）、永原和可那・松本麻佑組（世界24位）の３ペアが進んだが、勝ってベスト４入りを果たしたのは、高橋・松友組との同国対決を制した永原・松本組のみ。現在、日本５番手につける長身の攻撃型ペアは、ＳＳへの出場が制限されるＢ代表ながら、９月に出場機会を得た韓国オープンでのベスト８に続き、フレンチオープンではそれを上回るベスト４入り。今シーズン最多のランキングポイントを確保し、来週の世界ランキングでは20位内に上がってくる
一方、日本の女子ダブルス上位陣は現在、年間チャンピオンを決する12月の「ＳＳファイナル」出場をかけたサバイバルを繰り広げている。年12大会あるＳＳのみの結果に基づくＳＳランキング（通称：デスティネーションドバイランキング）で、上位８ペアが出場の権利を得るが、１つの国・地域に付与される出場枠は２つに制限される
前週行われた第９戦デンマークオープンを終えての暫定ランクは、【２位】米元・田中（53,900点）【４位】福島由紀・廣田彩花（52,500点）【５位】高橋・松友（51,620点）【６位】福万・與猶（45,250点）――の順番だった。しかし今大会ベスト16に終わった福島・廣田組を、ベスト８の高橋・松友組が第10戦フレンチオープン終了時に抜くことになる
男子ダブルスは、エースの園田啓悟・嘉村健士組が今シーズン初めて、ＳＳでベスト８に届かず敗退。代わりに、小林優吾・保木卓朗組が組み合わせにも恵まれベスト８入りし、準々決勝に臨んだ。しかし、世界選手権に続いて前週のデンマークオープンでも優勝するなど、ペアとしての力を発揮し始めた中国ツァン・ナン／リュウ・チェン組の前に屈し、準決勝には進めなかった。それでも、ランキングポイントの上乗せには成功。現在ＳＳランキング10位ながら、ＳＳファイナル出場にも一歩近づいた
準々決勝の結果
【男子シングルス】
ウン・カロン（香港、世界９位）＜16-２１,16-２１＞アナース・アントンセン（デンマーク、世界17位）
アンソニー・シンスカ・ギンティン（インドネシア、世界16位）＜２１-14,10-２１,14-２１＞西本拳太（世界40位※予選勝ち上がり）
キダンビ・スリカンス（インド、世界４位）＜8-２１,２１-19,２１-9＞シー・ユーチ（中国、世界６位）
プラノイ・ハシーナ・スニルクマール（インド、世界12位）＜２１-16,２１-16＞チョン・ヒョクチン（韓国、世界31位）
【女子シングルス】
タイ・ツーイン（台湾、世界１位）＜２１-17,２１-12＞ラッチャノク・インタノン（タイ、世界６位）
ホー・ビンジャオ（中国、世界８位）＜２５-23,２１-10＞イ・チャンミ（韓国、世界27位）
ソン・ジヒョン（韓国、世界３位）＜２１-17,15-２１,21-２３＞山口茜（世界５位）
プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ（インド、世界２位）＜２１-14,２１-14＞チェン・ユーフェイ（中国、世界10位）
【男子ダブルス】
ツァン・ナン／リュウ・チェン（中国、世界５位）＜２１-15,２１-19＞小林優吾・保木卓朗（世界22位）
リー・ジェフエイ／リー・ヤン（台湾、世界８位）＜２１-11,２１-19＞ムハンマド・リアン・アルディアント／ファジャル・アルフィアン（インドネシア、世界18位）
ウラジミール・イワノフ／イワン・ソゾノフ（ロシア、世界13位）＜15-２１,9-２１＞ホー・ジティン／タン・チアン（中国、世界72位※予選繰り上がり）
マシアス・ボー／カールステン・モゲンセン（デンマーク、世界２位）＜２１-5,17-２１,２１-17＞シラグ・シェッティ／サトウィクサイラジ・ランキレディ（インド、世界32位）
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀（世界２位）＜18-２１,17-２１＞永原和可那・松本麻佑（世界24位）
イ・ソヒ／シン・スンチャン（韓国、世界55位）＜２１-10,２１-10＞チェ・ユジョン／キム・ヘリン（韓国、世界155位）
米元小春・田中志穂（世界６位）＜２１-19,13-２１,19-２１＞グレイシア・ポリー／アプリヤニ・ラハユ（インドネシア、世界39位）
チェン・チンチェン／ジア・イーファン（中国、世界１位）＜22-２４,２１-13,２１-16＞チャン・イエナ／チョン・ギョンウン（韓国、世界132位）
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ／チェン・チンチェン（中国、世界１位）＜２１-18,19-２１,２１-16＞ベン・レーン／ジェシカ・ピュー（イングランド、世界35位）
デチャポン・プアバラヌクロー／プティッタ・スパジラクン（タイ、世界386位）＜２１-13,13-２１,19-２１＞マシアス・クリスチャンセン／クリスティナ・ペダーセン（デンマーク、世界386位）
タントウィ・アーマド／リリアナ・ナッチル（インドネシア、世界３位）＜19-２１,２１-14,２１-12＞タン・キアンメン／ライ・ペイジン（マレーシア、世界11位）
ルー・カイ／ホワン・ヤチオン（中国、世界２位）＜19-２１,２１-18,9-２１＞ツァン・ナン／リ・インフェイ（中国、世界５位）
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
アナース・アントンセン（デンマーク、世界17位）対西本拳太（世界40位※予選勝ち上がり）
キダンビ・スリカンス（インド、世界４位）対プラノイ・ハシーナ・スニルクマール（インド、世界12位）
【女子シングルス】
タイ・ツーイン（台湾、世界１位）対ホー・ビンジャオ（中国、世界８位）
プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ（インド、世界２位）対山口茜（世界５位）
【男子ダブルス】
ツァン・ナン／リュウ・チェン（中国、世界５位）対リー・ジェフエイ／リー・ヤン（台湾、世界８位）
マシアス・ボー／カールステン・モゲンセン（デンマーク、世界２位）対ホー・ジティン／タン・チアン（中国、世界72位※予選繰り上がり）
【女子ダブルス】
永原和可那・松本麻佑（世界24位）対イ・ソヒ／シン・スンチャン（韓国、世界55位）
チェン・チンチェン／ジア・イーファン（中国、世界１位）対グレイシア・ポリー／アプリヤニ・ラハユ（インドネシア、世界39位）
【混合ダブルス】
ツェン・シウェイ／チェン・チンチェン（中国、世界１位）対マシアス・クリスチャンセン／クリスティナ・ペダーセン（デンマーク、世界386位）
タントウィ・アーマド／リリアナ・ナッチル（インドネシア、世界３位）対ツァン・ナン／リ・インフェイ（中国、世界５位）
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