
ベトナムオープンGP決勝、高橋沙也加選手が、開催国ベトナムのエース、ヴ・ティチャン選手を寄せ付けず、第1シードで臨んだ今大会を全試合ストレート勝ちの優勝で締めた。日本女子シングルス陣は今年、GP以上の大会で9勝目。その強さを世界にまざまざと見せつけている
高橋選手が力の差を見せた。圧巻は第1ゲーム。11-7で折り返した後半早々、5連続得点で引き離し、その後与えた点数は2点のみと完全に抑え込んだ。第2ゲームは、地元観客の前で奮起したい相手に時折、鋭いスマッシュを決められる場面はあったものの、大勢に影響なく21-14で勝利。GPより1つ下位の大会インターナショナルチャレンジで複数回優勝実績のある同じ25歳のヴ選手を圧倒した
高橋選手は2015年10月、デンマークオープンSSプレミアで足を故障し、五輪レースからの戦線離脱を余儀なくされた。しかしそれから約1年後、16年9月のジャパンオープンで国際大会に復帰すると、予選からのスタートながら、佐藤冴香選手らを破っていきなりスーパーシリーズ(SS)ベスト8に入る。その後も、◆同年11月マレーシアインターナショナルチャレンジ優勝◆17年3月ポルトガルインターナショナルシリーズ優勝◆同年4月大阪インターナショナルチャレンジ優勝――と着実に結果を積み重ね、再び頭角を現しつつある
現在、世界ランクは26位で、日本では、山口茜(2位)、奥原希望(9位)、大堀彩(14位)、佐藤冴香(15位)、三谷美菜津(19位)、川上紗恵奈(20位)に続く7番手。今回の優勝(5,500ポイント)でこの順番に変動はないが、差は詰める。日本の上位6人と並んで本戦から出場する、19日開幕のジャパンオープンが重要になってくる
日本の女子シングルス陣は今シーズンここまで、GP以上の大会で、◆3月ドイツオープンGPゴールド(山口)◆4月チャイナマスターズGPゴールド(大堀)◆6月インドネシアオープンSSプレミア(佐藤)◆6月オーストラリアンオープンSS(奥原)◆6月台湾オープンGPゴールド(川上)◆7月カナダオープンGP(川上)◆7月USオープンGPゴールド(大堀)◆8月世界選手権(奥原)◆9月ベトナムオープンGP(高橋)――と、既に9つのタイトルを獲得。その強さを明確に証明している
タイ選手同士の対決となった男子シングルスは、前日の準決勝で奈良岡功大選手を逆転で退けたコシット・ペトプラダブ選手が勝ち、GP初制覇を果たした
23歳のコシット選手は8月、マレーシア・クアラルンプールで開催された東南アジア競技大会(シーゲームス)決勝で、インドネシアのジョナタン・クリスティ選手に敗れ銀メダルに終わったが、今回、2014年タイインターナショナルシリーズ、15年マレーシアインターナショナルチャレンジに次ぐ、3つ目の国際タイトルを手にした
タイ勢は、女子ダブルスでもチャヤニト・チャラドチャラム/パタイマス・ムエンウォン組が優勝し、今大会2つのタイトルを持ち帰った
男子ダブルスでは、日本のS/Jリーグにも参戦する台湾リャオ・ミンチュン選手率いるペアがタイトル獲得へまい進したが、ファイナルゲーム21-23の僅差で敗れ、わずかに届かなかった。優勝は、インドネシアのワヒュ・ナヤカ・アルヤ・パンカルヤニラ/アデ・ユスフ・サントソ組
インドネシア勢は同国対決となった混合ダブルスでもアルフィアン・エコ・プラセトヤ/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ組が勝って、タイと同じく2種目制覇を果たした
決勝の結果
【男子シングルス】 コシット・ペトプラダブ(タイ、世界40位)<21-15,21-19>スッパンユ・アビヒンサノン(タイ、世界56位)
【女子シングルス】 高橋沙也加(世界26位)<21-9,21-14>ヴ・ティチャン(ベトナム、世界53位)
【男子ダブルス】 リャオ・ミンチュン/スー・チェンヘン(台湾、世界29位)<21-12,16-21,21-23>ワヒュ・ナヤカ・アルヤ・パンカルヤニラ/アデ・ユスフ・サントソ(インドネシア、世界75位)
【女子ダブルス】 リズキ・アメリア・プラディプタ/デラ・デスティアラ・ハリス(インドネシア、世界ランクなし)<16-21,19-21>チャヤニト・チャラドチャラム/パタイマス・ムエンウォン(タイ、世界49位)
【混合ダブルス】 リッキー・ウィディアント/マシタ・マームディン(インドネシア、世界ランクなし)<14-21,14-21>アルフィアン・エコ・プラセトヤ/メラティ・ダエバ・オクタビアンティ(インドネシア、世界ランクなし)