
スコットランド・グラスゴーで21日に開幕する世界選手権の組み合わせ抽選会が9日、世界バドミントン連盟(BWF)本部のあるマレーシア・クアラルンプールで行われた。日本勢は多くが2回戦からとなる中、ノーシードの男子シングルス2人、ダブルス2ペアが先陣を切って初戦に臨む
5種目のうち、出場64枠をすべて埋めた男子シングルスは、シードの有無にかかわらず、全員が1回戦から登場する。日本からは常山幹太選手(初)と上田拓馬選手(3回目)が出場するが、世界ランク下位の上田選手はいきなり第3シード、デンマークのビクター・アクセルセン選手と対戦する。ただ、誰にとっても難しいとされる初戦だけに、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの立ち上がりを崩しにかかる
この種目最大の注目は、マレーシアのリー・チョンウェイ選手が未だ成し遂げていない世界選手権制覇を今度こそ果たせるかにあるが、組み合わせは厳しいものに。第2シードに入った「世界戦無冠の帝王」の初戦の相手は、昨年デンマークオープンスーパーシリーズ(SS)プレミアで初黒星を喫したフランスのブリス・レベルデス選手。1、2回戦を突破すると、3回戦でティエン・ホウウェイ選手、4回戦(準々決勝)でチェン・ロン選手と、警戒してきた中国勢が2人続けて待ち構える。とりわけ今回、世界バドミントン連盟(BWF)からワイルドカード(特別出場枠)を得て出場するチェン・ロン選手には、2014年(後に失格)と15年の世界選手権、16年のリオデジャネイロ五輪と、3年連続で世界最高峰の舞台の決勝で敗れており、ベスト4を前に最強の敵が立ちふさがる
マレーシアバドミントン協会(BAM)のテクニカルディレクターを務めるモルテン・フロスト氏は、「組み合わせはチョンウェイにとって厳しいものになった」と認めながらも、「優勝するには、結局、全員を倒すしかない」とコメントした
男子ダブルスで1回戦に臨むのは、小林優吾・保木卓朗組と遠藤大由・渡辺勇大組。相手はいずれも世界ランク下位だが、難しい初戦となることも予想される。特に、遠藤・渡辺組が対戦するインドペアのサトウィクサイラジ・ランキレディ選手。今月13日で17歳になる若手でまだ粗削りながら、長身から繰り出す強力なスマッシュを武器に5月のスディルマン杯で存在感を示し、あなどれない。さらに2回戦に進めば、小林・保木組は金子祐樹・井上拓斗組、遠藤・渡辺組が中国ツァン・ナン/リュウ・チェン組を相手に迎え、今大会最初の山場を迎えることになる
◆9日の抽選で決まった日本選手1回戦の対戦カード
【男子シングルス】 常山幹太(世界33位)対ルイス・ラモン・ガリド(メキシコ、世界159位)、ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界3位)対上田拓馬(世界54位)
【男子ダブルス】 小林優吾・保木卓朗(世界21位)対リー・チュンヘイ/ロウ・チュクヒム(香港、世界29位)、遠藤大由・渡辺勇大(世界28位)対シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド、世界37位)
◆日本選手2回戦の対戦カード
【男子シングルス】
<常山幹太(世界33位)対ルイス・ラモン・ガリド(メキシコ、世界159位)>の勝者対<ウォン・ウィンキ(香港、世界14位)対アーメド・サラー(エジプト、世界138位)>の勝者
<ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界3位)対上田拓馬(世界54位)>の勝者対<ラウル・ムスト(エストニア、世界52位)対エエトゥ・ヘイノ(フィンランド、世界83位)>の勝者
【女子シングルス】
山口茜(世界2位)対<リネ・ケアースフェルト(デンマーク、世界36位)対マリア・ユリティナ(ウクライナ、世界62位)>の勝者
奥原希望(世界8位)対<レイチェル・ホンデリッチ(カナダ、世界53位)対アイリス・ワン(アメリカ、世界353位)>の勝者
佐藤冴香(世界13位)対<ミア・ブリクフェルト(デンマーク、世界43位)対ファビエンヌ・デプレ(ドイツ、世界49位)>の勝者
大堀彩(世界15位)対<マリヤ・ミトソワ(ブルガリア、世界85位)対メンナ・エルタナニー(エジプト、世界95位)>の勝者
【男子ダブルス】
園田啓悟・嘉村健士(世界4位)対<マーク・ラムスフス/マルビン・エミル・シーデル(ドイツ、世界34位)対アダム・ツファリナ/ミロシュ・ボシャ(ポーランド、世界61位)>の勝者
金子祐樹・井上拓斗(世界19位)対<小林優吾・保木卓朗(世界21位)対リー・チュンヘイ/ロウ・チュクヒム(香港、世界29位)>の勝者
ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、世界8位)対<遠藤大由・渡辺勇大(世界28位)対シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド、世界37位)>の勝者
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対<ヤン・チントゥン/チャン・チンフイ(台湾、世界76位)対パウラ・リン・オバニャナ/エバ・リー(アメリカ、世界148位)>の勝者
米元小春・田中志穂(世界7位)対<ビクトリア・ウィリアムス/ジェニー・ムーア(イングランド、世界55位)対オドレイ・フォンテーヌ/ロレーヌ・バウマン(フランス、世界57位)>の勝者
福島由紀・廣田彩花(世界9位)対<プアビシャ S.ラム/ジャッカムプディ・メグハナ(インド、世界41位)対セリーナ・ピーク/イーフィア・ムスケンス(オランダ、世界60位)>の勝者
福万尚子・與猶くるみ(世界11位)対<フ・リンファン/チェン・ユーチエ(台湾、世界49位)対リサ・アイバーセン/シルビア・ガリノ(イタリア、世界72位)>の勝者
【混合ダブルス】
数野健太・栗原文音(世界14位)対<ニコ・ルポネン/アマンダ・ヘーグストレーム(スウェーデン、世界33位)対マーティン・キャンベル/ジュリー・マクファーソン(スコットランド、世界108位)>の勝者
渡辺勇大・東野有紗(世界22位)対<サム・マギー/クロエ・マギー(アイルランド、世界35位)対チャン・ヤントゥク/ユウコ・カワサキ(アメリカ、世界71位)>の勝者
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一方、全員が2回戦からの登場となる女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3種目。世界選手権という大舞台ゆえランク上位選手が早々に足元をすくわれる可能性は否定できないが、日本勢にとっては、3回戦が最初の正念場となりそう
3回戦で予想される対戦カードは、次の通り
【女子シングルス】 山口茜(世界2位)対チェン・ユーフェイ(中国、世界11位)、奥原希望(世界8位)対大堀彩(世界15位)、カロリナ・マリン(スペイン、世界4位)対佐藤冴香(世界13位)
【女子ダブルス】 高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対福万尚子・與猶くるみ(世界11位)、米元小春・田中志穂(世界7位)対ガブリエラ・ストエバ/ステファニ・ストエバ(ブルガリア、世界12位)、ホワン・ドンピン/リ・インフェイ(中国、世界6位)対福島由紀・廣田彩花(世界9位)
【混合ダブルス】 クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界5位)対数野健太・栗原文音(世界14位)、タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界3位)対渡辺勇大・東野有紗(世界22位)