
オーストラリアンオープンSS準々決勝、日本勢はシングルス2人、ダブルス3ペアが勝って準決勝に進んだ。このうち、福島由紀・廣田彩花組は世界ランク3位の韓国ペアに競り勝ち、準決勝枠を占めるとみられた女子ダブルス4強の一角を崩した
世界トップ10入りを果たしたばかりの福島・廣田組だが、直近の対戦で2連敗している韓国チャン・イエナ/イ・ソヒ組に第1ゲームをあっさり奪われる。続く第2ゲームは中盤以降リードを保つが、19-18から逆転され19-20と追い込まれる。しかしこの窮地にも攻めの姿勢を貫き合わせて3つのマッチポイントを凌ぎ切って26-24でこのゲームを制すると、ファイナルゲームもペースをつかみ、スディルマン杯優勝の立役者でもある韓国のエースペアを21-16で振り切った
日本勢対決に競り勝った高橋礼華・松友美佐紀組を筆頭に、デンマークのクリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール組、中国チェン・チンチェン/ジア・イーファン組と、世界1位、2位、4位がズラリとベスト4に顔を揃える中、福島・廣田組は唯一、世界ランク2ケタながら準決勝枠の1つを奪取した
女子シングルスでは、「年下の選手には負けたくない」と話す20歳の山口茜選手が、昨年の世界ジュニアチャンピオンで既にシニアのグランプリ(GP)ゴールドでも優勝し世界ランク10位につける中国の19歳チェン・ユーフェィ選手に、3戦連続となるストレート勝ちを収めた。準決勝では、世界4位インドのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ選手を相手に、ファイナルゲーム10-14の劣勢から2度の連続得点で逆転勝ちを決めた世界1位の台湾タイ・ツーイン選手との節目の大一番に臨む
また、2日連続で日本人との対戦となった奥原希望選手は、前日、世界7位の中国ホー・ビンジャオ選手を破り勢いをつけてきた高橋沙也加選手に第2ゲーム終盤粘りを見せられるも、きっちりストレートで勝利。肩のケガからの回復後、ターゲットに据えた世界選手権に向け、スケジュールを立てて数カ月間、地道に取り組んでいる準備の成果(途中)をここでも示した
男子は、園田啓悟・嘉村健士組が、台湾2番手のチェン・フンリン/ワン・チリン組とのシード勢対決に臨んだが、今年に入り2連勝していて自信を持って試合に入れているのが奏功してか、点差は詰まったもののストレート勝ち。SSベスト4を確保した
日本のもうひとペア、金子祐樹・井上拓斗組は今大会、難しい初戦を勝ち抜き、今シーズン初めてSSでベスト8まで勝ち上がった。しかしこの日は、実績・経験豊富なベテラン2人、ヘンドラ・セティアワン選手とタン・ブンヒョン選手が組むペアに何とか離されず着いていこうとするが、第1、第2ゲームともに後半突き放され、準決勝には届かなかった
男子シングルスでは、中国の新旧五輪金メダリスト対決があったが、リオデジャネイロのチェン・ロン選手が北京・ロンドンのリン・ダン選手を下して、勝ち上がった。また、北京・ロンドン4位の韓国イ・ヒョンイル選手は、中国ティエン・ホウウェイ選手を破ってベスト4入り。ほかに、SS2週連続優勝を狙うインドのキダンビ・スリカンス選手、ディフェンディングチャンピオンを抑えた中国シー・ユーチ選手の2人が準決勝に進んだ
、
準々決勝の結果
【男子シングルス】
キダンビ・スリカンス(インド、世界11位)〈25-23,21-17〉B.サイ・プラニース(インド、世界16位)
シー・ユーチ(中国、世界4位)対〈21-17,21-12〉ハンス・クリスチャン・ビッティングス(デンマーク、世界30位)
チェン・ロン(中国、世界6位)〈21-16,12-21,23-21〉リン・ダン(中国、世界7位)
ティエン・ホウウェイ(中国、世界13位)〈21-17,15-21,18-21〉イ・ヒョンイル(韓国、世界14位)
【女子シングルス】
タイ・ツーイン(台湾、世界1位)対〈10-21,22-20,21-16〉プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、世界4位)
山口茜(世界5位)〈21-15,21-14〉チェン・ユーフェイ(中国、世界10位)
スン・ユ(中国、世界6位)〈21-17,10-21,21-17〉サイナ・ネワル(インド、世界16位)
奥原希望(世界12位)〈21-12,23-21〉高橋沙也加(世界50位※予選繰り上がり)
【男子ダブルス】
ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、世界10位)〈14-21,21-12,21-15〉オン・ユーシン/テオ・イーイ(マレーシア、世界24位)
金子祐樹・井上拓斗(世界23位)〈14-21,12-21〉ヘンドラ・セティアワン/タン・ブンヒョン(インドネシア/マレーシア、世界30位)
園田啓悟・嘉村健士(世界5位)〈21-18,21-19〉チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、世界15位)
ヤン・ポハン/ルー・チンヤオ(台湾、世界18位)〈21-16,21-18〉チェ・ソルギュ/キム・ドクヨン(韓国、世界694位※予選繰り上がり)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)〈21-16,18-21,21-16〉米元小春・田中志穂(世界6位)
チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界4位)〈21-17,20-22,21-18〉バオ・イーシン/タン・ジンフア(中国、世界294位)
チャン・イエナ/イ・ソヒ(韓国、世界3位)〈21-10,24-26,16-21〉福島由紀・廣田彩花(世界10位)
クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界2位)〈21-11,15-21,23-21〉ユ・ヘウォン/キム・ヘリン(韓国、世界25位)
【混合ダブルス】
ツェン・シウエイ/チェン・チンチェン(中国、世界1位)〈21-19,21-13〉小林優吾・松友美佐紀(世界138位)
クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界5位)〈20-22,15-21〉ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界23位)
プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界7位)〈21-8,21-17〉チェン・ペンスーン/チア・イーシー(マレーシア、世界ランクなし)
デチャポン・プアバラヌクロー/サプシリー・タエラナッチャイ(タイ、世界8位)〈12-21,17-21〉キム・ドクヨン/キム・ハナ(韓国、世界377位)
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
シー・ユーチ(中国、世界4位)対キダンビ・スリカンス(インド、世界11位)
チェン・ロン(中国、世界6位)対イ・ヒョンイル(韓国、世界14位)
【女子シングルス】
タイ・ツーイン(台湾、世界1位)対山口茜(世界5位)
スン・ユ(中国、世界6位)対奥原希望(世界12位)
【男子ダブルス】
ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、世界10位)対ヘンドラ・セティアワン/タン・ブンヒョン(インドネシア/マレーシア、世界30位)
園田啓悟・嘉村健士(世界5位)対ヤン・ポハン/ルー・チンヤオ(台湾、世界18位)
【女子ダブルス】
高橋礼華・松友美佐紀(世界1位)対チェン・チンチェン/ジア・イーファン(中国、世界4位)
クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界2位)対福島由紀・廣田彩花(世界10位)
【混合ダブルス】
ツェン・シウエイ/チェン・チンチェン(中国、世界1位)対ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、世界23位)
プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界7位)対キム・ドクヨン/キム・ハナ(韓国、世界377位)