フレンチオープンSS準々決勝、日本勢は男女シングルスで明暗。桃田賢斗選手が苦しみながらなんとか競り勝ちベスト4入りしたのに対し、山口茜選手はほぼ互角の試合を展開するも勝負どころを知る格上の相手にわずかに及ばず、涙をのんだ。一方、同国対決になった男女ダブルスでは早川賢一・遠藤大由組と松尾静香・内藤真実組が勝ち、準決勝に進んだ

桃田選手は試合開始早々、スタートダッシュに成功し、第1ゲーム前半を11-4とリード。後半に入っても勢いは止まらず、17-8と大差をつける。ここから前週のデンマークオープンSSプレミアで優勝した中国選手を苦しめたタイのタノンサク・センソンプーンソック選手の反撃に遭い一気に3点差まで詰め寄られるが、21-17で振り切る。第2ゲームはペースをつかんだ相手に後半抜け出されて落とし、試合はふりだしに。迎えたファイナルゲーム、流れは相手に移り、前半を6-11と大きくリードされて折り返す。しかしインターバル直後に激しく追い上げ、最後は15-16から4連続得点で逆転し、そのまま逃げ切った
桃田選手の上位大会SSでのベスト4入りは、昨年11月のチャイナオープン以来1年ぶり。準決勝では、その時、決勝進出を阻まれた中国ワン・ツェンミン選手へのリベンジに挑む

桃田選手の隣のコートで試合をした山口選手も、前世界チャンピオン、タイのラッチャノク・インタノン選手を相手に序盤、いきなり6-0とリードする。しかしすぐに8-8と並ばれ、ほどなく形勢を逆転される。山口選手はいったん16-16で追いつくが、直後に17-19と突き放される。ここから3連続得点で先にゲームポイントを握るも決め切れず、逆に相手の3連続得点を許してしまい、オープニングゲームを落とす。第2ゲームに入っても両者一歩も譲らぬラリーが続くが、主導権は常にインタノン選手に。山口選手に何度か追いつかれても、決して追い抜かれない試合巧者ぶりを発揮し、一度もリードを許すことなくこのゲームを支配した。山口選手は、初めて対戦した1月のマレーシアオープンSSプレミアでインタノン選手から白星を挙げたが、6月のインドネシアオープンSSプレミア、10月のフレンチオープンSSと連敗した
日本勢対決となった男女ダブルスは、それぞれ早川・遠藤組と松尾・内藤組がストレート勝ちを収めた。とりわけ松尾・内藤組は、ともに世界ランク1ケタの国内のライバル、高橋・松友組と前田・垣岩組から大きく出遅れていて、上位大会であるSSで結果を残しランキングポイントを上乗せして、その差を詰めたいところだった。結果は、前日、世界ランク1位の中国ペアを破った勢いにも乗り、6月のオーストラリアンオープンSSに続いて前田・垣岩組から国際大会で2勝目を挙げた
準決勝では、高橋・松友組を破った中国の伏兵マー・ジン/タン・ユエンティン組と対戦。2012年ジャパンオープン以来となるSS決勝進出を狙う
一方、5月のトマス杯の後、調子の上がってこない早川・遠藤組は、この大会で準優勝以上の結果を残し復調のきっかけにしたいところ
準々決勝の結果
【男子シングルス】
桃田賢斗(世界15位)〈21-17,15-21,21-17〉タノンサク・センソンプーンソック(タイ、世界27位)
ワン・ツェンミン(中国、世界7位)〈21-15,13-21,21-13〉カシャップ・パルパリ(インド、世界21位)
トミー・スギアルト(インドネシア、世界5位)〈21-13,17-21,21-18〉ハンス・クリスチャン・ビティングス(デンマーク、世界10位)
チョウ・ティエンチェン(台湾、世界13位)〈12-21,21-18,21-15〉ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界14位)
【女子シングルス】
リ・シュエリ(中国、世界1位)〈21-19,21-13〉クロエ・マギー(アイルランド、世界37位)
ラッチャノク・インタノン(タイ、世界7位)〈22-20,21-17〉山口茜(世界49位※予選勝ち上がり)
ワン・イーハン(中国、世界3位)〈23-21,21-14〉ツァン・ベイウェン(米国、世界14位)
ワン・シーシャン(中国、世界2位)〈21-19.19-21,21-15〉サイナ・ネワル(インド、世界6位)
【男子ダブルス】
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界3位)〈21-15,18-21,21-15〉ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界11位)
マルキス・キド/ギデオン・マルクス・フェルナルディ(インドネシア、世界8位)〈15-21,13-21〉ヘンドラ・アプリダ・グナワン/アンドレイ・アディスティア(インドネシア、世界38位)
ツァイ・チアシン/リー・シェンム(台湾、世界7位)〈19-21,21-18,21-14〉タン・ウィーキョン/ゴー・ウェイシェム(マレーシア、世界193位※予選勝ち上がり)
早川賢一・遠藤大由(世界5位)〈22-20,21-14〉平田典靖・橋本博且(世界18位)
【女子ダブルス】
前田美順・垣岩令佳(世界6位)〈12-21,12-21〉松尾静香・内藤真実(世界28位)
高橋礼華・松友美佐紀(世界3位)〈21-19,15-21,16-21〉マー・ジン/タン・ユエンティン(中国、世界16位)
ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、世界5位)〈21-12,21-7〉ディアン・フィトリアニ/ナドヤ・メラティ(インドネシア、世界68位)
クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界4位)〈15-21,10-21〉ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界8位)
【混合ダブルス】
ミハエル・フックス/バージット・ミシェルズ(ドイツ、世界10位)〈13-21,15-21〉マッズ・ピーラー・コルディング/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界18位)
クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界5位)〈15-21,21-15,22-20〉ジャコ・アレンズ/セリーナ・ピーク(オランダ、世界24位)
タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界4位)〈21-11,21-16〉ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界9位)
シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)〈21-6,21-9〉マルキス・キド/ピア・ゼバディア・ベルナデス(インドネシア、世界14位)
準決勝の対戦カード
【男子シングルス】
ワン・ツェンミン(中国、世界7位)対桃田賢斗(世界15位)
トミー・スギアルト(インドネシア、世界5位)対チョウ・ティエンチェン(台湾、世界13位)
【女子シングルス】
リ・シュエリ(中国、世界1位)対ラッチャノク・インタノン(タイ、世界7位)
ワン・シーシャン(中国、世界2位)対ワン・イーハン(中国、世界3位)
【男子ダブルス】
マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界3位)対ヘンドラ・アプリダ・グナワン/アンドレイ・アディスティア(インドネシア、世界38位)
早川賢一・遠藤大由(世界5位)対ツァイ・チアシン/リー・シェンム(台湾、世界7位)
【女子ダブルス】
マー・ジン/タン・ユエンティン(中国、世界16位)対松尾静香・内藤真実(世界28位)
ユー・ヤン/ワン・シャオリ(中国、世界5位)対ルオ・ユー/ルオ・イン(中国、世界8位)
【混合ダブルス】
クリス・アドコック/ガブリエル・アドコック(イングランド、世界5位)対マッズ・ピーラー・コルディング/カミラ・リタ・ユール(デンマーク、世界18位)
シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)対タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア、世界4位)