日本がついに、自国開催のジャパンオープンSSで初優勝を手にする。女子シングルス準決勝で、山口茜選手と打田しづか選手がそれぞれ世界ランクトップ10の強豪を破って勝ち上がり、決勝が同国対決となったため、最終日を待たずに金、銀メダルを確保した。この種目で日本勢が決勝に進むのは2年連続。さらに、男子シングルスの田児賢一選手も中国選手を下して、ジャパンオープンでは初、上位大会SSでは通算5度目となる決勝進出を決め、あす、未だ勝ったことのない難敵リー・チョンウェイ選手を相手に初優勝に挑む


ディフェンディングチャンピオンの台湾タイ・ツーイン選手(世界8位)に競り勝った山口選手は、「第1ゲームはシャトルが飛ぶコートで、アウトになることを警戒して上げた球が甘くなるなど、常にリードされる展開でダメかと思った。ただラリーを続けるうちに、相手がミスしてくれるようになり、20-20でようやく追いつくことができた。22-23の場面で微妙なラインジャッジが主審裁定で有利に覆るなどしたが、第1ゲームをとれたのが大きかったと思う」と述べた。また「打田選手との決勝は、ナショナルチームのメンバーとして勝たなければいけないとの気持ちはあるが、しょせん高校1年生なので、あまり考えすぎないようにしたい」と答えた
中国2番手でロンドン五輪銀メダルのワン・イーハン選手(世界6位)に打ち勝った打田選手は試合前の勝算について、「負けるとは思っていなかった。向こうのスマッシュやカットが取れたことでラリーができるようになった」と振り返った。ベスト8に入り脚光を浴びた3年前から今大会までに成長した点を尋ねると、「トレーニングがしっかりできていることで、体が強くなり安定してきた」と説明した。以前、国際大会ではできれば海外の選手と戦いたいと話していたが、「決勝は日本人同士の対決となったが、精一杯がんばりたい」と述べた

田児選手は常々、ジャパンオープンを最も勝ちたい大会と公言している。この日、中国ガオ・フアン選手を21-12,21-12のストレートで下すと、幼いころからのあこがれの舞台で念願の決勝進出を果たしたことを率直に喜んだ
田児選手はこれまで、◆2010年全英オープンSS(当時、19-21,19-21)◆2011年フレンチオープンSS(16-21,11-21)◆2012年マレーシアオープンSS(6-21,13-21)◆2013年インドオープンSS(15-21,21-18,17-21)――の4度、SSの決勝に進んでいるが、いずれもリー・チョンウェイ選手に初優勝を阻まれている。5度目のSS決勝、通算14度目のリー選手との対戦で、世界1位から待望の1勝を挙げられるか、奮起が期待される

一方、今大会女子ダブルス第2シードの高橋礼華・松友美佐紀組は、第3シードのデンマークペアに積極姿勢に押される形で、ゲームカウント0対2のストレート負け。2009年の末綱聡子・前田美順組、昨年の松尾静香・内藤真実組に続く、日本ペアの決勝進出は果たせなかった
メダル獲得が期待された前月の世界選手権、前週のチャイナマスターズSSと良い結果を残せないままジャパンオープンに入った。目標は優勝だったが、最近鬼門のようになっている初戦をどのように戦うかも今大会の課題だったという。決勝には進めなかったものの、「初戦をうまく戦え、敗れた準決勝でも自分たちの良いところも出ていて、次につながる大会になったと思う」と前を向いた
各種目準決勝の対戦カード
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)〈21-10,21-5〉グエン・ティエンミン(ベトナム、世界8位)、田児賢一(世界5位)〈21-12,21-12〉ガオ・フアン(中国、世界32位)
【女子シングルス】 タイ・ツーイン(台湾、世界8位)〈24-26,14-21〉山口茜(世界145位※予選勝ち上がり)、ワン・イーハン(中国、世界6位)〈17-21,14-21〉打田しづか(世界104位※予選繰り上がり)
【男子ダブルス】 ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界2位)〈21-12,18-21,21-18〉リュウ・チェン/カン・ジュン(中国、239位)、マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン(デンマーク、世界3位)〈11-21,21-15,19-21〉ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界46位)
【女子ダブルス】 マー・ジン/タン・ジンフア(中国、世界2位)〈17-21,21-14,21-12〉ピア・ゼバディア・ベルナデス/リズキ・アメ リア・プラディプタ(インドネシア、世界7位)、高橋礼華・松友美佐紀(世界3位)〈16-21,14-21〉クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ ユール(デンマーク、世界4位)
【混 合ダブルス】 シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)〈21-17,23-21〉ヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリス ティナ・ペダーセン(デンマーク、世界4位)、ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)〈21-9,21-8〉リュウ・チェン/バオ・イーシン(中国、世界121位)
決勝の対戦カード
【男子シングルス】 リー・チョンウェイ(マレーシア、世界1位)対田児賢一(世界5位)
【女子シングルス】 打田しづか(世界104位※予選繰り上がり)対山口茜(世界145位※予選勝ち上がり)
【男子ダブルス】 ヘンドラ・セティアワン/モハンマド・アーサン(インドネシア、世界2位)対ホン・ウェイ/チャイ・ビアオ(中国、世界46位)
【女子ダブルス】 マー・ジン/タン・ジンフア(中国、世界2位)対クリスティナ・ペダーセン/カミラ・リタ・ ユール(デンマーク、世界4位)
【混 合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国、世界1位)対シュー・チェン/マー・ジン(中国、世界2位)