台湾オープンＧＰゴールド決勝、５種目すべてに選手が勝ち残った韓国勢が、完全制覇を達成した。とりわけ男子シングルスで、ロンドン五輪出場後、故障と兵役義務により６月まで国際大会から遠ざかっていたソン・ワンホ選手が、７月のＵＳオープンＧＰゴールド優勝、８月の世界選手権銅メダルと、最近好調を持続していたベトナムのグエン・ティエンミン選手にフルゲームの末に勝利したことが大きかった
ソン選手は表彰式の直後に行われた記者会見で BadPaL の取材に応じ、まず「台湾オープンが今年３つ目の大会だった」と説明。世界ランク５位の強豪グエン選手と決勝を戦うに当たって、前日、コーチとともに十分な戦略を立ててから試合に臨んでいたことを明らかにした。ソン選手にとって今回の勝利は、昨年４月、ギリギリのところでロンドン五輪出場権を確定させたオリンピックレース最後の大会、インドオープンスーパーシリーズ（ＳＳ）以来の優勝となる
ソン選手は、足の故障と兵役義務のため、昨年末に引退したデンマークのピーター・ゲード選手（当時）に敗れた昨年８月のロンドン五輪の後、今年６月のタイオープンＧＰゴールドで復帰するまで、国際試合に出場してこなかった。そのため現在、世界ランクを233位まで落としている。ソン選手の説明では、「兵役義務は来年９月まで続くが、アスリートとして特別待遇下にあるため、今後も国際試合には参戦できる」という。これからの目標を尋ねると、「当面は2014年９～10月に韓国・仁川で開催されるアジア大会出場」と明かした。その先にある2016年リオデジャネイロ五輪については、「チャンスがあれば狙いたい」と控えめに答えた
このほか韓国の５種目制覇阻止に挑んだのは、ともに開催地台湾のプレーヤー、女子シングルスのタイ・ツーイン選手と男子ダブルスのツァイ・チアシン／リー・シェンム組。しかし、いずれも世界ランク上位に位置する韓国のソン・ジヒョン選手、キム・サラン／キム・ギジョン組の壁を破れずストレート負け。試合会場に詰めかけた地元観客とメディアの期待に応えることはできなかった。このうちタイ選手は、「今年１月に痛めた左足が完治せず、前日のタイの17歳、ブサナン・ウンバンルンパン選手との準決勝でまたひねってしまい、昨晩は痛みで眠れなかった」と明かした。それでも、17日開幕のジャパンオープンＳＳには参戦すると強調。昨年獲得したタイトルを守れるかどうかについては、成り行き次第と述べた
残る２種目、女子ダブルスと混合ダブルスはともに韓国勢同士の対戦で、前日の準決勝終了時点で韓国勢の優勝が確定していた。なお女子ダブルスでは、世界ジュニア選手権２連覇（2011、12年）のシン・スンチャン／イ・ソヒ組が決勝を棄権している
一方、この日の朝、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）が総会を開いたアルゼンチン・ブエノスアイレスで発表した2020年東京五輪開催決定について、2016年リオデジャネイロに続き2020年東京への出場も期待される台湾の19歳、タイ・ツーイン選手に聞いたところ、「オリンピック開催地が台湾の近くで良かった」と答えた。今から７年後、26歳で迎える東京五輪への出場の意向を尋ねると、「体力が続いていれば出たい」と述べた。仮に、東京に先立ち開催されるリオデジャネイロ五輪に出場し優勝したら、次（東京）は狙わず引退してしまうのでは、と水を向けると、「もしそうなったら、続けるかどうかその時考える」と笑顔を見せた
決勝の結果
【男子シングルス】 グエン・ティエンミン（ベトナム、世界５位）〈21-19,9-21,18-21〉ソン・ワンホ（韓国、世界233位）
【女子シングルス】 ソン・ジヒョン（韓国、世界６位）〈21-16,21-9〉タイ・ツーイン（台湾、世界８位）
【男子ダブルス】 キム・サラン／キム・ギジョン（韓国、世界６位）〈21-11,21-11〉ツァイ・チアシン／リー・シェンム（台湾、世界11位）
【女子ダブルス】 キム・ハナ／チョン・ギョンウン（韓国、世界７位）〈棄権〉シン・スンチャン／イ・ソヒ（韓国、世界11位）
【混合ダブルス】 シン・ベクチョル／チャン・イエナ（韓国、世界13位）〈22-20,12-21,21-16〉ユ・ヨンソン／オム・ヘウォン（韓国、世界66位）
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