
18日に行われたスーパーシリーズ(SS)ファイナル決勝、ホスト国中国が5種目完全制覇を狙ったが、男子ダブルスでデンマークのマシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組が阻止した。デンマークペアはこの大会2連覇
優勝を期待されたトップペア、カイ・ユン/フー・ハイファン組(世界ランク1位)のまさかの一次リーグ敗退で、代わりに中国の期待を一身に背負ったグオ・ツェンドン/チャイ・ビアオ組。準決勝で韓国のエース、チョン・ジェソン/イ・ヨンデ組(世界2位)を破った勢いに乗って第1ゲームを支配し、20-16と先にゲームポイントをつかむ。しかし、ここからデンマークペアが反撃。4連続得点で追いつき、さらに2度のゲームポイントをしのいで逆転でこのゲームを奪う。これで中国ペアが気落ちしたか、試合の流れは完全にデンマークペアに移り、第2ゲームは一度もリードを許さないまま21-7と圧勝した
ボー/モゲンセン組は試合直後、取材に応じ、優勝の喜びを表現する一方、「韓国のチョン/イ組にストレート負けした一次リーグで敗退していたかもしれず、誰にも優勝の機会はあった」と、出場選手の実力が伯仲していたことを強調した
ボー/モゲンセン組は今年、全英オープンSSプレミア、チャイナオープンSSプレミアと主要な大会で2勝し、カイ/フー組(中国)、チョン/イ組(韓国)につぐ世界3位につけている

女子シングルスでは、一次リーグ初戦でいきなり伏兵のソン・ジヒョン選手(韓国)に敗れつまずいた第1シードのワン・イーハン選手が、その後見事に立て直して優勝した
この日は、今大会でここ数カ月続いていた不振からの脱却を遂げたサイナ・ネワル選手(インド)に第1ゲームを取られる苦しい展開となるも、コート内をかけ回りシャトルを拾いまくって、第2、第3ゲームを奪い返しての逆転勝ちだった
ワン選手は、昨年11月のアジア競技選手権の中国代表選手3枠から漏れ、今年初めにずれこんで開催された昨年のSSファイナルでも準決勝で韓国選手に敗れるなど、なかなか浮上のきっかけをつかめずにいた。1月の韓国オープンSSプレミアで久しぶりに優勝したものの、翌2月の国内リーグで足を負傷し3月の全英オープンSSプレミアを棄権するなど、オリンピックレースの開始を間近に控え、楽観できない状況が続いていた。しかし、レース突入後は、◆6月インドネシアオープンSSプレミア優勝◆8月世界選手権優勝◆10月デンマークオープンSSプレミア準優勝◆11月チャイナオープンSSプレミア優勝――と高いランキングポイントが獲得できる大会で確実に結果を残し、同じ中国のライバルを抑えて世界1位の座を確固たるものにしている

男子シングルスは、リン・ダン選手が後輩であるチェン・ロン選手を一蹴し、初めてSSファイナルのタイトルを獲得した。北京五輪金メダル、世界選手権4勝をはじめ、これまであらゆるタイトルを総なめにしてきているリン選手だが、2008年から行われているSSファイナルのタイトルはまだ手にしていなかった
SSファイナルは最初の2年、ランキングポイントの対象大会に含まれていなかったこともあり、リン選手は出場辞退。今年1月にずれ込んで開催された前回大会では、中国国内で3番手で出場資格を逃していた
リン選手は昨年末、6位だった世界ランクをオリンピックレースに突入した今年、じりじりと引き上げ、マレーシアのリー・チョンウェイ選手(95947ポイント)に次ぐ2位(93226ポイント)につけている
リン選手は試合後の記者会見で、今年1年を振り返って最も印象に残っている試合を聞かれ、まれに見る接戦の末に勝利〈20-22,21-14,23-21〉した、リー選手との世界選手権決勝を挙げた
女子ダブルスと混合ダブルスでは、年間を通じて世界をリードしてきたユー・ヤン/ワン・シャオリ組とツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ組がそれぞれ盤石の強さを見せ、優勝で今年のシーズンを締めくくった


決勝の結果
【男子シングルス】 リン・ダン(中国)〈21-12,21-16〉チェン・ロン(中国)
【女子シングルス】 ワン・イーハン(中国)〈18-21,21-13,21-13〉サイナ・ネワル(インド)
【男子ダブルス】 マシアス・ボー/カールステン・モゲンセン組(デンマーク)〈25-23,21-7〉グオ・ツェンドン/チャイ・ビアオ組(中国)
【女子ダブルス】 ユー・ヤン/ワン・シャオリ組(中国)〈21-8,21-12〉キム・ミンジュン/ハ・ジュンユン組(韓国)
【混合ダブルス】 ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ組(中国)〈21-13,21-15〉シュー・チェン/マー・ジン組(中国)