ベトナムチームがバドミントン愛好家が集まるネット上のフォーラムで呼び掛けていた、8月に世界選手権が開催されるパリ滞在中の支援について(アーカイブ:’Voice from Vietnam’ 〈https://badpal.wordpress.com/2010/06/10/voice-from-vietnam/〉参照)、同国のグエン・ティエンミン選手(世界ランク6位)が、フランス在住のベトナム人のグループから「喜んで支援したい」との回答が寄せられたことをBadPaLに明かした。具体的には食事提供の申し出があったそうで、同選手は、チームにとって助けとなり非常にありがたいことと感謝を口にした

バドミントン選手の置かれた状況は、たとえ世界トップクラスといえども、ごく一部を除けば非常に厳しい。とりわけ発展途上国の選手は、十分な財政支援が得られず、実力アップ、世界ランク維持・向上のために必要不可欠な国際試合への参戦を続けるのも難しいのが現状だ
ベトナムチームは今回、試合会場がアジアの隣国ではなく欧州のため、選手の努力の成果である世界ランクに応じて付与される出場資格は得ていても、渡航費、滞在費、食費と、金銭的負担が重くのしかかる現実に直面している。そんな状況下、現地に暮らすいわゆる同胞が支援に名乗りを挙げてくれたことは、金銭的な部分はもとより精神的にも支えとなり、選手にとって試合に臨むモチベーションにつながるという
海外を転戦する日本選手からは、完全アウェーの中、地元の応援もさることながら、会場に駆けつけてくれた現地在住の日本人の声援が聞こえると励みになるとの声が聞かれる。先ごろ国際大会3週連続優勝を果たしたインドのサイナ・ネワル選手は、試合中、期せずしてわき上がった「インドコール」に思わず笑みがこぼれ、それを力に変えて勝利できたと語っていた
一方で、現地に暮らす同胞にとっては、自国内にいるとなかなか会うことができない国内トップ選手を知る機会となり、バドミントンをより身近に感じることができる
バドミントン促進の観点からも、海外ならではの試みとして、選手のコンディションに影響を及ぼさない範囲内で、たとえ短時間でも双方が触れ合える機会を設けるのは有益と考える