
オーストラリアンオープンSS準決勝、日本勢唯一の勝ち残り、福万尚子・與猶くるみ組は、中国がリオデジャネイロ五輪後を見据えて今大会に送り込んだ新旧世界ジュニアチャンピオン2人が組むペアに敗れ、2度目のSS決勝進出は果たせなかった。ただ、ランキングポイントを上乗せし、年末に行われるSSファイナルの出場権獲得に向け一歩前進した
福万・與猶組がSSでベスト4に入るのは、昨年11月の香港オープンと、準優勝した3月のインドオープンに次いで3度目。インドオープン以来2度目のSS決勝進出を狙ったが、世界ジュニア選手権2010年優勝のバオ・イーシン選手と、13-15年覇者のチェン・チンチェン選手が初めて組んだペアの前に逆転負けを喫し、決勝のコートには立てなかった
ただ、ベスト4に入ったことでランキングポイント6,420点を加え、現在5位につけている、年間12回ある上位大会SSの結果のみで算定されるSSランキングを4位に上げて前半を折り返す。出場を逃した五輪から目標を切り替え、9月のジャパンオープンから始まる後半戦でもコンスタントに結果を残せれば、上位8ペアのみに出場資格が与えられる12月のアラブ首長国連邦・ドバイで開催されるSSファイナルへの切符は手の届くところにある
この新たな中国ぺアは決勝で、準決勝で同国のエース、ユー・ヤン/タン・ユエンティン組を破ったリオ五輪のメダル候補でもある第2シード、インドネシアのグレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ組も撃破し、ペアとしてはSS初出場ながら見事初優勝を飾った

男子シングルスは、リー・チョンウェイ、リン・ダン、ビクター・アクセルセン、ヤン・ヨルゲンセンといった主力選手がそろって出場を回避。さらに第1シードの中国チェン・ロン選手が準々決勝でインドネシアの若手アンソニー・シンスカ・ギンティン選手に不覚を取り、本命不在の混戦となる
5月のトマス杯デンマーク初優勝に大きく貢献したハンス・クリスチャン・ビッティングス選手と、2013年アジアジュニア選手権準優勝から韓国3番手に成長しトマス杯メンバーにも選ばれたチョン・ヒョクチン選手がともに初めてSS決勝に進んだが、リオ五輪出場権を国内のライバルとの争いに敗れつかみそこねたデンマークの30歳ベテランが、10歳下の韓国若手成長株の挑戦を退け、初の栄冠を手にした

女子シングルスには、第1シードのカロリナ・マリン選手が出場を取りやめた以外は、世界トップがずらりと顔を揃えた。1回戦で奥原希望選手、準々決勝で山口茜選手を破った中国スン・ユ選手が準決勝ではロンドン五輪金メダルの先輩リ・シュエリ選手も倒したが、決勝では2014年にこの会場で優勝しているインドのサイナ・ネワル選手にファイナルゲーム19-21で振り切られ、優勝を逃した。元世界1位インド期待のエースは五輪レース期間中、1度も優勝することができなかった。しかし、五輪前最後のSSで得たタイトルと自信を手に、8月、リオに乗り込む
準決勝の結果
【男子シングルス】
チョン・ヒョクチン(韓国、世界26位)〈21-19,16-21,21-19〉アンソニー・シンスカ・ギンティン(インドネシア、世界31位)
ハンス・クリスチャン・ビッティングス(デンマーク、世界12位)〈22-20,21-13〉キダンビ・スリカンス(インド、世界13位)
【女子シングルス】
リ・シュエリ(中国、世界3位)〈18-21,19-21〉スン・ユ(中国、世界12位)
ワン・イーハン(中国、世界2位)〈8-21,12-21〉サイナ・ネワル(インド、世界8位)
【男子ダブルス】
リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界14位)〈21-16,21-14〉ライアン・アグン・サプトロ/ベリー・アングリアワン(インドネシア、世界24位)
ギデオン・マルクス・フェルナルディ/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界13位)〈21-17,21-11〉リュウ・チェン/ツェン・シウェイ(中国、世界ランクなし)
【女子ダブルス】
福万尚子・與猶くるみ(世界9位)〈21-15,18-21,16-21〉バオ・イーシン/チェン・チンチェン(中国、世界ランクなし)
ユー・ヤン/タン・ユエンティン(中国、世界2位)〈18-21,17-21〉グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界4位)
【混合ダブルス】
プラビーン・ジョーダン/デビー・スサント(インドネシア、世界6位)〈21-19,11-21,16-21〉ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界53位)
ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界10位)〈21-15,21-12〉チャン・ペンスーン/ゴー・リュウイン(マレーシア、世界11位)
決勝の結果
【男子シングルス】 ハンス・クリスチャン・ビッティングス(デンマーク、世界12位)〈21-16,19-21,21-11〉チョン・ヒョクチン(韓国、世界26位)
【女子シングルス】 サイナ・ネワル(インド、世界8位)〈11-21,21-14,21-19〉スン・ユ(中国、世界12位)
【男子ダブルス】 ギデオン・マルクス・フェルナルディ/ケビン・サンジャヤ・スカムルジョ(インドネシア、世界13位)〈21-14,21-15〉リッキー・カランダ・スワルディ/アンガ・プラタマ(インドネシア、世界14位)
【女子ダブルス】 グレイシア・ポリー/ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア、世界4位)〈21-23,17-21〉バオ・イーシン/チェン・チンチェン(中国、世界ランクなし)
【混合ダブルス】 ルー・カイ/ホワン・ヤチオン(中国、世界10位)〈21-18,21-14〉ツェン・シウェイ/チェン・チンチェン(中国、世界53位)