アジア競技大会・バドミントン競技は9月28日~10月1日、団体戦が行われた。ディフェンディングチャンピオンの日本女子は途中、エースの山口茜をケガで欠き厳しい戦いを余儀なくされ、準決勝で中国に屈し決勝進出ならず。銅メダルに終わった
日本女子は今回、48年ぶりの優勝を遂げた2018年ジャカルタ大会に続く連覇が狙える立場にあった。ただ、コロナウイルス感染拡大の影響から開催が当初の2022年から1年遅れ五輪レースの年にずれ込んでしまったことで、連戦が続くワールドツアーとも重なり、今大会に臨む各選手の調整の難しさは明らかだった
シードのため、初戦になった2回戦(準々決勝)の台湾戦、一番手に登場の山口がタイ・ツーインとの第2ゲーム途中に右足首辺りを痛めて棄権するというアクシデントに見舞われる。しかし、後に続く選手がしっかり自分の仕事をこなして3-1で勝利。この時点で、2014年の銅、18年の金に次ぐ3大会連続となるメダルを確保した
そして迎えた準決勝の中国戦。エース不在の厳しい状況ながら、第1シングルスに入った大堀彩が一度も勝ったことがないチェン・ユーフェイ相手にファイナルゲームまでもちこむ戦いを見せる。続く第1ダブルスの志田千陽・松山奈未は、世界ランク1位チェン・チンチェン/ジア・イーファンからフルゲームの末に勝利をもぎ取り、試合を1-1の振り出しに戻す。それでも続く2種目、第2シングルスと第2ダブルスは、世界ランクひと桁を揃えた中国の優位が揺るがず、日本は1-3で敗退。2大会連続の決勝進出は果たせず、銅メダルが確定した
中国は日本に勝って決勝に進んだが、自国開催特有のプレッシャーもあってか、アン・セヨン率いる韓国に1ゲームも取れず敗れた。とりわけ、準決勝の日本戦に続いて第1ダブルスのチェン・チンチェン/ジア・イーファンが負け、チームに流れをもってくることができなかったのが大きかった
対照的に韓国は、2-0となり流れに乗ってコートに立ったキム・ガウンが、世界ランク上位のホー・ビンジャオから値千金の白星を挙げ、2種目を残してチームの優勝を決めるラッキーガールとなった
韓国女子の団体戦優勝は、1994年広島大会以来2度目。前回のベスト8から一気に躍進してアジアの頂点に立った
一方、中国は、日本に敗れた前回に続いて、決勝まで進みながら優勝を逃す結果に終わった
◆1回戦(28日)の結果
①中国<=第1シードのため2回戦から>
②インドネシア<=シードのため2回戦から>
③日本<=シードのため2回戦から>
④台湾3-0香港
⑤インド3-1モンゴル
⑥タイ<=シードのため2回戦から>
⑦モルディブ3-1ネパール
⑧韓国<=第2シードのため2回戦から>
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◆2回戦=準々決勝(29日)の結果
①中国3-0インドネシア
②日本3-1台湾
【第1シングルス】山口茜(世界2位)<14-21,7-5棄権>タイ・ツーイン(4位)
【第1ダブルス】志田千陽・松山奈未(5位)<21-11,21-12>リー・チアシン/リン・ワンチン(ランクなし)
【第2シングルス】大堀彩(20位)<21-11,21-14>シュー・ウェンチ(21位)
【第2ダブルス】福島由紀・東野有紗(ランクなし)<21-18,21-11>シュー・ヤチン/テン・チュンシュン(267位)
【第3シングルス】仁平菜月(32位)<打ち切り>スン・シュオユン(30位)
③タイ3-0インド
④韓国3-0モルディブ
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◆準決勝(30日)の結果
①中国3-1日本
【第1シングルス】チェン・ユーフェイ(世界3位)<21-19,12-21,21-15>大堀彩(20位)
【第1ダブルス】チェン・チンチェン/ジア・イーファン(1位)<21-19,9-21,17-21>志田千陽・松山奈未(5位)
【第2シングルス】ホー・ビンジャオ(5位)<21-12,21-14>仁平菜月(32位)
【第2ダブルス】ツェン・ユー/ツァン・シュウシエン(6位)<21-19,21-13>福島由紀・篠谷奈留(ランクなし)
【第3シングルス】ハン・ユエ(9位)<打ち切り>川上沙恵奈(31位)
②韓国3-1タイ
【第1シングルス】アン・セヨン(1位)<21-12,18-21,21-15>ポーンパウィー・チョチュウォン(世界12位)
【第1ダブルス】イ・ソヒ/ペク・ハナ(2位)<23-25,21-13,21-5>ラウィンダ・プラジョンジャイ/ジョンコンパン・キッティハラクン(10位)
【第2シングルス】キム・ガウン(18位)<22-24,21-14,13-21>ブサナン・ウンバンルンパン(16位)
【第2ダブルス】キム・ソヨン/コン・ヒヨン(332位)<21-19,21-12>ヌンタカーン・エイムサアード/ベニャパ・エイムサアード(42位)
【第3シングルス】キム・ガラム(126位)<打ち切り>スパニダ・カテトン(17位)
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◆決勝(1日)の結果
①中国0-3韓国
【第1シングルス】チェン・ユーフェイ(世界3位)<12-21,13-21>アン・セヨン(1位)
【第1ダブルス】チェン・チンチェン/ジア・イーファン(1位)<18-21,14-21>イ・ソヒ/ペク・ハナ(2位)
【第2シングルス】ホー・ビンジャオ(5位)<21-23,17-21>キム・ガウン(18位)
【第2ダブルス】ツェン・ユー/ツァン・シュウシエン(6位)<打ち切り>キム・ソヨン/コン・ヒヨン(3位)
【第3シングルス】ハン・ユエ(9位)<打ち切り>キム・ガラム(126位)
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アジア大会女子団体の最終結果
【金メダル】韓国(1994年以来7大会ぶり2度目※前回ベスト8)
【銀メダル】中国(※前回銀メダル)
【銅メダル】日本(※前回金メダル)、タイ(※前回銅メダル)

