【WC2018】Japanese Women secure Gold before final

世界選手権は4日、準決勝を終え、メダル獲得の実績がある桃田賢斗、園田啓悟・嘉村健士、福島由紀・廣田彩花のほか、初出場の永原和可那・松本麻佑が最終日に残った。女子ダブルスは決勝が同国対決となり、41年ぶりの日本人チャンピオン誕生が確定している

永原・松本組は、前日、世界選手権での中国女子ダブルス連勝の記録を断ち切ったインドネシアのグレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ組と初めて対戦。臆することなく向かっていき、終始リードを保ったままオープニングゲームを奪う。第2ゲームはもつれるが、終盤、攻めの姿勢を貫き主導権を渡さなかった日本4番手のペアが、24-22で競り勝った

永原・松本組は試合後、第2ゲーム後半早々、11-8から5連続得点を決められ逆転を許した場面、「もう一度自分たちが何をすべきか」に立ち返ったと説明した。再度逆転に成功した後も、「逆転したからといって油断できる相手ではなかった」と指摘。気を緩めることはなかったという

決勝に向けては、「ここまできたら優勝したい」と笑顔でタイトル獲得への欲を見せながらも、日本人対決を意識しすぎず、「自分たちの力を出し切って終えたい」と述べた

敗れたグレイシア・ポリー選手に、世界ランク上位に名を連ねるほかの日本ペアとの違いを聞くと、「ほかのペアに比べて速い。ラリーに持ち込もうとせず、攻撃をたたみかけてくる」と、実際に対戦してみた印象を明かした

もうひとつの山からは、日本ペア同士の対決を制した福島由紀・廣田彩花組が勝ち上がり、2年連続で決勝進出を果たした

手の内を知り合う相手との対戦では特に大事な「我慢」を勝因とした福島・廣田組、銀メダルに終わった昨年の悔しさをぶつけたい、と最終日に向けた意気込みを語った

対照的に、同国対決で禁物とされる「攻め急ぎ」を敗因に挙げた米元・田中組。決勝進出は逃したが、前回グラスゴー大会の結果を上回りメダルを獲得できたことを踏まえ、試合直後の率直な気持ちを尋ねると、ともに「悔しい」と答えた

この結果、女子ダブルス決勝は日本ペア同士の対戦となり、この種目では1977年第1回スウェーデン・マルメ大会の栂野尾悦子・植野恵美子組以来となる2ペア目の世界チャンピオンが、日本から誕生することが確定した

男子ダブルスの園田啓悟・嘉村健士組は、準々決勝で金子祐樹・井上拓斗組に勝って上がってきた台湾チェン・フンリン/ワン・チリン組と対戦。前日、世界1位を破った後も気を緩めることなく、この日の試合に臨んだ園田・嘉村組がオープニングゲームを先取。第2ゲームはさらにつけ入る隙を見せず、「サーブ周りで勝負が決まった」という言葉通り、圧倒した

嘉村選手は試合後、トマス杯の後から取り組んでいる、「自分がゲームメークをし、園田に打たせる」、それぞれの役割を明確にしたシンプルな形に注力したのが機能したことを強調した。園田選手は、2人で目指す優勝に向け、気を引き締めて決勝に臨む姿勢をあらためて確認した

一方、敗れたチェン・フンリン/ワン・チリン組に BadPaL が会見で、世界トップ20に4ペアが入る台湾男子ダブルス陣の現在の状況は2人にとってプラスかマイナスか、尋ねると、「競争があることで練習もより厳しいものになり、互いにとっていいと思う」と答え、前向きにとらえている

男子シングルスでは、桃田賢斗が、ともに2014年の男子国・地域別対抗戦トマス杯の決勝「日本対マレーシア」<https://badpal.net/2014/05/26/last-day-of-tuc-japan-makes-history-to-become-world-champion/>を争ったメンバーであるダレン・リューを抑え込み、決勝進出を決めた

「緊張からあわててしまった」と振り返った試合序盤、相手の攻撃を決められる場面が続いたが、「タイミングを外すこと」で次第にペースをつかみ、第1ゲームを取ると、第2ゲームは、自ら「フィジカルが落ちた」と認めたダレン・リューをあっさり置き去った

決勝の相手は、世界選手権2回優勝のチェン・ロンとの中国同士の対戦に勝利し上がってきた、試合会場である南京市を省都とする江蘇省(南通市)出身、2つ年下のシー・ユーチ(22)となった

桃田が「オールラウンダ―。すきがない」と評するシー・ユーチは今大会、3回戦でリン・ダン(34)、準決勝でチェン・ロン(29)と、歴代世界王者の先輩2人をいずれもストレートで破っており、試合後の会見で、「(2人より)スピードで勝っていたと思う」と述べた。また、ホームアドバンテージについても触れ、家族や友人の応援があり自信につながる、と語った

女子シングルスの山口茜は、インドのプサルラ・ヴェンカタ・シンドゥに第1ゲームを奪われるが、第2ゲームは序盤から先行し、19-12と大きくリード。ファイナルゲーム突入は濃厚と思われた

しかしここから一転、8連続失点でマッチポイント(19 -20)を握られる。これを凌いでゲームポイント(21-20)をつかみ返したものの、ここで放ったロングサーブが、相手の構えるサイドとは反対に飛ぶまさかのミス。気を取り直して次のプレーに入るが、コートの奥に放ったショットがアウトとなり、2つ目のマッチポイント(21-22)を献上してしまう。ここも、粘り強いディフェンスからボディへのスマッシュを決めて追いつくが、続くラリーで決め急いだか、スマッシュをアウトとしてしまい、与えた3つ目のマッチポイントは回避できず、ストレート負けに終わった

山口選手は試合後、第2ゲームの連続失点に関し、「(大きくリードしているのに)相手の1点を大きく考えてしまって、自分が難しくしてしまった」と述べた。サーブミスについては、「(相手の)フォア側が空いているので狙ったら、思った以上にいってしまった」と説明した

また、銅メダルが取れた「結果は合格点」。敗れた準決勝も「互いにパフォーマンスは良かった」としながら、「あと2点が取れなかった。気持ちで引いてしまって自分のプレーが思いきってやれなかったので、少し悔いの残る試合」と自ら評した

一方、勝ったシンドゥ選手に会見で BadPaL が、大きな大会で銀メダルが続いていて金メダルが欲しい気持ちが強いのは承知しているが、実際どれほどのものか、尋ねると、「もちろん是が非でも獲りたい」と笑顔で認めながら、「簡単な試合にはならない」と指摘。1点ごとに集中して臨むとした

逆の山からは、男子シングルスのシー・ユーチと同様、開催地南京市のある江蘇省(連雲港市)出身のホー・ビンジャオを、スペインのカロリナ・マリンが逆転で降し、2014年、15年に次ぐ3度目の決勝進出を果たした

マリンは試合後、「世界1位のタイ・ツーインに勝って上がってきた今大会好調のホー・ビンジャオだけではなく、中国の観客を相手にしなければならなかった」とし、「決勝に進めてうれしい」と喜びを露わにした。その上で決勝に向けては、優勝候補ではないのでプレシャーはない。集中を切らさず、戦略に沿って戦う」と述べた

この結果、2014年ユース五輪・南京大会で決勝を戦った山口とホー・ビンジャオ。4年後、ともに21歳で臨んだ、同じく南京開催の世界選手権では、揃って銅メダルとなった

日本選手不在の混合ダブルスは、第1シードのツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン組と第2シードのワン・イーリュ/ホワン・ドンピン組が順当に勝ち進み、中国が今大会1つ目のタイトルを確保。最終日、いずれも日本選手と対戦する、男子シングルスと男子ダブルスで、金メダルの上乗せを狙う

◆準決勝の結果

【男子シングルス】

シー・ユーチ(中国、第3シード)<21-11,21-17>チェン・ロン(中国、第8シード)

桃田賢斗(第6シード)<21-16,21-5>ダレン・リュー(マレーシア)

【女子シングルス】

ホー・ビンジャオ(中国、第6シード)<21-13,16-21,13-21>カロリナ・マリン(スペイン、第7シード)

山口茜(第2シード)<16-21,22-24>プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、第3シード)

【男子ダブルス】

園田啓悟・嘉村健士(第5シード)<21-17,21-10>チェン・フンリン/ワン・チリン(台湾、第14シード)

ツァン・ナン/リュウ・チェン(中国、第2シード)<15-21,13-21>リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第4シード)

【女子ダブルス】

グレイシア・ポリー/アプリヤニ・ラハユ(インドネシア、第5シード)<12-21,21-23>永原和可那・松本麻佑(第11シード)

福島由紀・廣田彩花(第2シード)<21-19,21-15>米元小春・田中志穂(第4シード)

【混合ダブルス】

ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)<19-21,21-12,21-10>ツァン・ナン/リ・インフェイ(中国、第5シード)

ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)<21-6,21-10>タン・チュンマン/ツェ・インシュー(香港、第3シード)

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◆決勝の対戦カード

【男子シングルス】シー・ユーチ(中国、第3シード)対桃田賢斗(第6シード)

【女子シングルス】プサルラ・ヴェンカタ・シンドゥ(インド、第3シード)対カロリナ・マリン(スペイン、第7シード)

【男子ダブルス】リュウ・ユーチェン/リ・ジュンフェイ(中国、第4シード)対園田啓悟・嘉村健士(第5シード)

【女子ダブルス】福島由紀・廣田彩花(第2シード)対永原和可那・松本麻佑(第11シード)

【混合ダブルス】ツェン・シウェイ/ホワン・ヤチオン(中国、第1シード)対ワン・イーリュ/ホワン・ドンピン(中国、第2シード)

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