
世界選手権は21日、スコットランド・グラスゴーのエミレーツアリーナで開幕し、男子2種目と女子ダブルスの1回戦半分、女子シングルスと混合ダブルスの1回戦全試合が行われた。日本からはこの日、常山幹太選手がコートに立ち、世界戦デビューを白星で飾り、東京五輪に向け、ジュニアからシニアへ着実に成長の過程をたどっていることを示した
「すごく緊張していた」と試合後明かした常山選手だが、出だしをいい形で入ると、世界ジュニア選手権で対戦したことのある同じ21歳、メキシコのルイス・ラモン・ガリド選手に危なげなくストレート勝ちした

常山選手は2014年、当時の日本ジュニアのトップとしてユース五輪南京大会に男子ではただ1人出場。その会場で、同様に女子で唯一出場した山口茜選手とともに BadPaL の取材に応じ、6年先に控える東京五輪を目指すと明言していた。あれから3年を経て、中間点となる今年、やはり山口選手と一緒に世界ランクで日本のトップとして、世界選手権初出場を果たした
3年でここまでたどりついた自らの歩みをどう見ているのか、BadPaL が尋ねると、「思い通り順調にきたというより、うまくいきすぎている感じ」と率直な気持ちを返した。当時、シニアで戦っていく上で取り組むべき課題の1つとして繰り返し口にしていた「馬力をつける」という点については、まだ不十分と認めながらも、体重が増え体は強くなったと進歩を説明。その上で、初めて出る世界選手権という大舞台、上位選手相手に現在の自分の力を試す、と前向きな姿勢で臨んでいることを強調した。まずは、香港の実力者ウォン・ウィンキ選手との次戦に集中する姿勢を確認しながら、とりわけ、順調にいけば3回戦で顔を合わせる、いわば同世代の出世頭である世界ランク4位、中国シー・ユーチ選手に、「ぜひやってみたい」と強い対戦意欲を示した

男子シングルスではこの日、今大会、前人未到の6度目の世界選手権制覇に挑む中国リン・ダン選手が、地元スコットランドのキーラン・メリリース選手に快勝。世界1位の韓国ソン・ワンホ選手、ダークホース的存在にあるインドのキダンビ・スリカンス選手ら、ほかの優勝候補とともに2回戦に進んだ

一方で、リオデジャネイロ五輪のブラジル代表イーゴル・コエーリョ選手は世界戦初白星を挙げた。五輪後、世界ランクを38位まで上げるなど、着実に力をつけてきている
◆日本勢1日目の結果
【男子シングルス1回戦】 常山幹太(世界33位)<21-6,21-8>ルイス・ラモン・ガリド(メキシコ、世界161位)
◆日本勢2日目の対戦カード
【男子シングルス1回戦】 ビクター・アクセルセン(デンマーク、世界3位)対上田拓馬(世界54位)
【男子ダブルス1回戦】 小林優吾・保木卓朗(世界21位)対リー・チュンヘイ/ロウ・チュクヒム(香港、世界29位)、遠藤大由・渡辺勇大(世界28位)対シラグ・シェッティ/サトウィクサイラジ・ランキレディ(インド、世界38位)
以下、2回戦
【女子シングルス2回戦】 山口茜(世界2位=第1シード)対リネ・ケアースフェルト(デンマーク、世界37位)
【混合ダブルス2回戦】 数野健太・栗原文音(世界14位)対ニコ・ルポネン/アマンダ・ヘーグストレーム(スウェーデン、世界33位)、渡辺勇大・東野有紗(世界22位)対サム・マギー/クロエ・マギー(アイルランド、世界35位)